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天頂を駆け抜ける太陽、ラハイナ・ヌーン

2012年5月15日 (ハワイ現地時間)
最終更新日:2023年9月21日

ハワイ時間2012年5月15日正午過ぎ、太陽がほぼ天頂を通過する様子が、ハワイ州ヒロにあるハワイ観測所 (すばる望遠鏡) 山麓施設で見られました。北回帰線 (北緯およそ 23.5 度の緯線) の少し南、北緯およそ 20 度の位置にあるハワイでは、太陽がちょうど天頂を通過するタイミングが夏至を挟んで年に2度あります。ハワイ現地では「ラハイナ・ヌーン」と呼ばれることもあります (ハワイ語で"la"は「太陽」を、"haina"は「過酷な」を意味します)。

ヒロで今年1度目の「ラハイナ・ヌーン」が体験できるのは5月18日ですが、その3日前にあたる5月15日でも太陽の南中高度が 89.4 度に達しました。太陽が真上から照りつけるため、物や人の影がほぼ真下にできる様子が見られました。動画は、ハワイ観測所 (すばる望遠鏡) 山麓施設に立つ里程標の影の動きを、太陽の南中の前後を 30 分間ほど収めたものです。垂直に立つ里程標の影があたかも消えたように見える瞬間がありますが、これが太陽がほぼ天頂を通過した瞬間です。また、中庭にあるヤシの木も幹のすぐ根元近くに影を落としています (写真)。太陽はこの後、2度目のラハイナ・ヌーン (ヒロでは7月23日) までの間、常に北側を通過することになります。

動画: ハワイ観測所 (すばる望遠鏡) 山麓施設に立つ里程標の影の動き (60 倍速)。太陽が南中しほぼ天頂に来たときに、里程標の影があたかも消えたように見えます。(ハワイ時間2012年5月15日12:00-12:30撮影)

人が居住するエリアが北回帰線よりも北にある日本では、残念ながら天頂を駆け抜ける太陽を見ることはできません。一方、南米チリ・アタカマ高地のアルマ望遠鏡サイト (南緯およそ23度) は南回帰線のすぐ北にあるため、「冬至」前後にちょうど天頂を通過する太陽を見ることができます。各地域における太陽の南中時刻や高度は、国立天文台天文情報センター暦計算室のウェブサイトで調べることが出来ます。

天頂を駆け抜ける太陽、ラハイナ・ヌーン 図2

写真: 観測所中庭にあるヤシの木。あんなに高いヤシの木ですが、影は大変短く、木の根元近くにのみ見えています。(クレジット:国立天文台)

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