すばる望遠鏡について

観測装置

微光天体分光撮像装置 FOCAS (Faint Object Camera And Spectrograph)

微光天体分光撮像装置 FOCAS (Faint Object Camera And Spectrograph)

可視光で高い感度の観測を行う基本装置です。視野内の 50 天体程度のスペクトルを同時に撮影できる機能を使用することにより、宇宙の果て近くにある銀河までの距離を効率よく調べることができます。FOCASは、すばる望遠鏡のカセグレン焦点に装着されます。

▶︎関連トピックス
2000年3月 FOCASがファーストライト!

多彩な機能で暗い天体に挑む

多彩な機能で暗い天体に挑む

撮像観測・分光観測・偏光観測など、すばるの可視光の基本的な観測モードを引き受けるカセグレン観測装置です。マルチスリット分光モードでは銀河団のような目的天体が集団で分布している場合に 50 天体程度の分光観測を同時に行うことができます。

銀河から噴き出す真紅の光

銀河から噴き出す真紅の光

FOCAS がとらえた不規則銀河 M82 (距離約 1200 万光年)。上下に伸びる赤い光は電離水素ガスによるもので、銀河中心付近の活発な活動性を物語っています。

▶︎ 観測成果
FOCASがファーストライト! (2000年3月)

分光観測で最も遠い銀河を確認

分光観測で最も遠い銀河を確認

FOCAS は、視野の中の多くの天体にスリットを当てて、一度に複数の天体のスペクトルを得ることができます。左の図は、どの天体にスリット (赤で示した) を合わせるか決定したところ。中央の図は、実際に観測を行って得られたスペクトル。それぞれのスリットに入った銀河のスペクトルが縦方向に写っています。右の図で示したのは、一つひとつ銀河のスペクトル (横軸が波長、縦軸が光の強さ)。ライマンαと呼ばれる水素の輝線の波長から、このうち一つが、観測史上最も遠方にある銀河であることが分かりました。