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若田光一 JAXA 宇宙飛行士とともに宇宙を旅したすばる望遠鏡記念品

2011年6月13日

写真1: JAXA 宇宙飛行士、若田光一さん。

 宇宙航空研究開発機構 (JAXA) の宇宙飛行士・若田光一さんとともに宇宙を旅したすばる望遠鏡のバナー (横断幕) が、2011年5月17日、若田さんご自身によってハワイ観測所に返還されました。若田さんは、2009年の国際宇宙ステーション長期滞在にあたり、すばる望遠鏡の写真を背景にハワイ観測所スタッフが寄せ書きしたバナーを、スペースシャトル公式飛行記念品 (Official Flight Kit) として携行していました (すばる望遠鏡ウェブサイト 2009年3月15日 トピックス )。ハワイ観測所そばのイミロア天文センターを会場として行われたセレモニーでは、150 名を超える観衆が見守る中、厳重な管理の下に真空パックされたバナーが若田さんによって返還され、さらにハワイ観測所長の高見さんの手によって開封されました。セレモニーに立ち会ったハワイ観測所スタッフは皆、宇宙を旅した記念品が今まさに目の前に帰ってきたことに、興奮の色を隠せない様子でした。

 セレモニーの後には、ミッション報告公開講演会という形で、3度にわたる宇宙旅行の様子を若田さんに紹介していただきました。ブルーのスペーススーツに身を包んだ若田さんの口から語られる宇宙での生活、そしてそれを支える数々の技術。貴重な写真や映像、ユーモア溢れる語り口、その全てが聴衆を楽しませました。特に、宇宙ステーションから撮影されたハワイ島・マウナケアの写真が映し出されたときには、客席から大きな歓声が上がりました。

 セレモニーに先立ち、若田さんはマウナケア山頂にあるすばる望遠鏡にも訪問されました。2002年にハワイ観測所の山麓施設を訪問されていますが、山頂施設を訪れるのは今回が初めてのことです。マウナケア山頂の美しい景色、そして巨大なすばる望遠鏡に、感嘆の声を上げられていました。さらに、望遠鏡のメンテナンスや観測装置の開発・調整にも興味を持たれたようで、作業を行うすばる望遠鏡スタッフに対して熱心に質問されていました。場所や方法は違えど、厳しい環境の中で宇宙に挑むという点では、どこか共通するものがあるのかもしれません。若田さんからの労いの言葉は、すばる望遠鏡を支えるスタッフにとっても大きな励みになったようです。

 若田さんは2013年に、日本人初の国際宇宙ステーション司令官として、再び宇宙へ旅立つ予定です。安全な宇宙旅行とミッションの成功を、ハワイ観測所スタッフ一同願っています。

 

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写真2: 若田さん (左) によって返還された、すばる望遠鏡のバナー。

 

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写真3: ミッション報告公開講演会で客席からの質問に答える若田さん。

 

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写真4: 山頂施設を訪れ、すばる望遠鏡メンテナンス中のディクルーと語り合う若田さん (右)。

 



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