Baseline Specification of GLAO

By S. Oya and Subaru ngAO working group

[2011/07/09]

GLAOの性能は、大気ゆらぎの全強度(シーイング)のみならず、ゆらぎ層の高度分布にも強く依存する。
大気モデルはRAVEN (カナダで開発されているSubaru用MOAOデモンストレータ) のシミュレーションで用いられているものを使用した。この大気モデルでは、星像に影響を及ぼす大気層を7つに分けている。これまでのマウナケアでの調査結果に基づき、特に地上に近い層 (= GLAOで補正される層)の影響が大きいとしている。また、すばるのドームシーイングもこの層に含めてある。
Natural Guide Star (NGS) 4個を視野の周辺に配置した場合のシミュレーションに基づく。 Simulation説明資料 (PDF)
これらの結果は、Laser Guide Starsの代わりにNGSを使っている、noise freeでの計算結果である、などのことから、GLAOで達成される理想的な性能を示していると考えて頂きたい。

仕様

*: 従来のAOでは主鏡、副鏡、第3鏡といった望遠鏡光学系に追加する形で、可変鏡を始めとするAOの光学系を通している。スループット100%とは、可変副鏡ではこれら光学系の追加がないという意味である。なお、すばる望遠鏡のAO36は約90%、AO188は約70%のスループットである。

以下に、大気条件として、

の3つの場合に分けて、AOでの補正なし(="Natural Seeing FWHM")と GLAOでの補正後 (="Average Corrected FWHM" GLAOの視野(この場合直径15分角とした)内のいくつかの点での値を平均化したもの)を示す。

	R-band	J-band	H-band	K-band
Natural Seeing FWHM (1)	0.61"	0.50"	0.47"	0.44"
Average Corrected FWHM (2)	0.38"	0.28"	0.25"	0.19"
(1) / (2)	1.61	1.77	1.92	2.27
(1) - (2)	0.23"	0.22"	0.23"	0.25"

	R-band	J-band	H-band	K-band
Natural Seeing FWHM (1)	0.82"	0.73"	0.62"	0.56"
Average Corrected FWHM (2)	0.59"	0.44"	0.38"	0.32"
(1) / (2)	1.39	1.67	1.61	1.74
(1) - (2)	0.23"	0.29"	0.23"	0.24"

	R-band	J-band	H-band	K-band
Natural Seeing FWHM (1)	0.49"	0.41"	0.39"	0.35"
Average Corrected FWHM (2)	0.25"	0.19"	0.15"	0.12"
(1) / (2)	1.95	2.11	2.57	2.87
(1) - (2)	0.24"	0.22"	0.24"	0.23"

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