お知らせ
ALMA-Subaru Workshop 「大質量星形成とALMA;今なすべきことは何か?」:最終サーキュラー
2009年7月14日
ALMA-Subaru Workshop「大質量星形成とALMA;今なすべきことは何か?」
● 期日: | 7月16日(木) -- 17日(金)の終日 |
● 於: | 国立天文台三鷹 解析研究棟1階大セミナー室 |
交通アクセス |
http://www.naoj.org/staff/rsf/NotLinked/msf/09/msf09public.html
に公開しましたので、お知らせ致します。
多くの皆様の参加をお待ちしております。
SOC+LOC: | 古屋玲 (代表)、川辺良平(以上電波分野)、臼田知史、岡本美子 (赤外分野)、中村文隆、細川隆史 (理論分野) |
三鷹LOC: | 廣田朋也(国立天文台) |
7月16日午前 座長: 松本 倫明
09:30 -- 09:50 古屋 玲 本研究会の趣旨説明
09:50 -- 10:20 古屋 玲 観測的進化シナリオ: ALMA/EVLAへの課題
10:20 -- 10:50 廣田 朋也 VLBIによる大質量形成領域の高分解能観測
10:50 -- 11:20 細川 隆史 大質量星形成 -理論面での進展-
11:20 -- 11:53 ポスター紹介
7月16日午後 座長: 犬塚 修一郎
13:30 -- 14:00 岡本 美子 中間赤外線で見た大質量星形成(仮題)
14:00 -- 14:30 橋本 淳 赤外線偏光観測とALMA
14:30 -- 15:00 米倉 覚則 大質量星形成領域の無バイアス分子雲コアサーベイ
15:00 -- 15:30 樋口 あや クラスター形成領域における母体クランプの高空間分解能観測
--- 休憩 ---
15:48 -- 16:00 ポスター紹介
16:00 -- 16:30 島尻 芳人 オリオン座A分子雲における双極分子流による誘発的星団形成
16:30 -- 17:00 池田 紀夫 OMC1領域におけるCore Mass Function
17:00 -- 17:30 立松 健一 オリオン巨大分子雲の化学的進化
18:00 -- 20:00 懇親会 (コスモス会館食堂)
7月17日午前 座長: 徂徠 和夫
09:00 -- 09:30 福井 康雄 スーパースタークラスターの形成
09:30 -- 10:00 久野 成夫 銀河スケールでの大質量形成研究
10:00 -- 10:30 齋藤 貴之 相互作用銀河におけるスターバーストと星団形成
--- 休憩 ---
11:00 -- 11:30 大西 利和 マゼラン雲での星形成(仮題)
11:30 -- 12:00 大向 一行 低金属度星の形成
7月17日午後 座長: 立原 研悟
13:30 -- 14:00 臼田/岡本 TMTとSPICAの現状
14:00 -- 14:20 新永 浩子 From eSMA to ALMA
14:20 -- 14:40 奥村 幸子 ALMAの現状
--- 休憩 ---
15:00 -- 16:55 古屋/中村 議論「大質量星形成とALMA: 今なすべきことは何か?」
16:55 -- 17:00 古屋 玲 まとめ
◎ ポスター発表(タイトル末尾の*印は3分間講演付きを示す)
(1)降着円盤の観測による輻射圧克服メカニズムへの制約*
田中 圭、中本 泰史
(2)星の最終質量と原始星アウトフローの関係*
町田 正博
(3)H2Oメーザーを用いたアウトフロー力学年齢の推定とコア進化*
元木 業人、徂徠 和夫
(4)大学VLBI連携によるメーザ天体の観測
藤沢 健太
(5)大質量星形成領域Cepheus Aにおける6.7GHzメタノールメーザの内部固有運動計測*
杉山 孝一郎
(6)W3(OH)に付随する6.7GHzメタノールメーザー源の内部固有運動計測
松本 尚子
(7)メタノールメーザーを伴う大質量星形成領域G35.2-0.74Nの構造
梅本 智文
(8)水メーザで探るOrion-KL領域のアウトフロー
金 美京
(9)12CO J=7--6 輝線で見たオリオンホットコアの高速分子ガス流
古屋 玲、新永 浩子
(10)Physical relation between Orion-IRc2 and the radio source "I"*
奥村 真一郎
(11)近赤外広視野偏光観測によるオリオンBN/KL大質量星形成領域の円偏光状態*
福江 翼ほか
(12)近赤外広視野三色同時偏光観測によるM42の高偏光度天体
日下部 展彦
(13)Properties of Unidentified 9 Micron Band in M17
高橋 安大
(14)大質量星形成領域の化学構造*
野村 英子
(15)Magnetic Fields in An Isolated Massive Dense Clump*
新永 浩子
(16)大質量星形成領域のホットコアにおけるinfall運動の検出
古屋 玲ほか
(17)星団Westerlund2に対する分子雲の温度と密度の分布解明*
大浜 晶生
(18)マゼラン雲のサブミリ波観測*
河村 晶子
(19)高分解能銀河シミュレーションで探る渦巻き銀河の構造と星形成領域の特異運動の起源*
馬場 淳一
(20)Bolocam銀河面サーベイ:公開データ*
新永 浩子
(21)大質量星と分子雲との相互作用・星形成に及ぼす影響*
立原 研悟
(22)超新星衝撃波と分子雲の相互作用に依る超音速乱流の駆動と微細構造の形成*
井上 剛志
(23)Dense Cores in the rho-Ophiuchi Main Cloud*
中村 文隆ほか
(24)Physical Studies of Low-mass Star Forming Region :Pipe Nebula
福江 慧
(25)低質量原始星を産む高密度分子雲コアは如何にして収縮に至るのか?
古屋 玲ほか
銀河の屋台骨であり、星間物質の輪廻の鍵を握るOB型星。しかしながら、その進化に関わる研究は、対象とする領域内の明るい星の形成を論ずることに甘んじてきた。前人未踏の観測能力をもたらすALMAやTMT、SPICA等の近未来の大型観測装置のもたらす観測能力は、未解決の課題が多い大質量星自身の形成過程の解明に留まらず、周囲の中小質量星形成への影響、星団形成との関係の理解へ向けた突破口を開くはずである。即ち、「どのような環境を与えれば、どのような星が産まれるのか(あるいは、産まれないのか)?」を精緻に描き出せる時代は眼前にある。一方、観測と理論研究を織り合わせることによって、我が国の研究者は世界を相手に独歩的な地位を築いてきた。とりわけ、野辺山45m鏡/ASTE、野辺山ミリ波干渉計、名大4m鏡/「なんてん」、VERA、「すばる」や「あかり」衛星などの目覚しい観測成果のみならず、我が国発のユニークな暗黒星雲カタログ、そしてこの分野の基礎を作ってきた理論研究など、枚挙に暇が無い。この基盤に立ち、星形成の本質に迫る研究をより強力に展開するためには、さまざまな研究グループの叡智をこれまで以上に結集させることが鍵となろう。
本研究会の表題「大質量星形成とALMA;今なすべきことは何か?」を考えるためには、「我々は今まで何を明らかにしてきたのか」、そして「何が理解できていないか」を理解することから始めなければならない。そのうえで、「国内の研究グループの得意な分野は何か?」を互いに理解し、「協力しあえるとしたら、何からどのように始めようか?」へと議論を発展させられたらすばらしい。言い換えるならば、将来の共同研究への種を蒔くことが今回の大きな目的である。この意味において、寸分の隙もないレビュー講演の連続によって本研究会を構成するようなことはしない。日本のコミュニティの得意とする分野をさらに発展させること念頭に、今まで交流のなかった研究者同士が知り合う場ともしたい。誰かと共同研究を始められるかもしれないという期待感とともに、あなたの得意な話題をまとめて、ぜひともご参加して下さい。
注:新型インフルエンザの感染の広がりによっては、研究会直前に延期の決断をせざるを得ないことをご了承下さい。