トピックス

7年目を迎えた「ふれあい天文学」

2016年9月14日 (ハワイ現地時間)

  国立天文台の研究者が各地の学校に天文学の授業を「出前」する事業「ふれあい天文学」が7年目を迎えました。これまでに北は北海道、南は鹿児島県、さらには父島や八丈島ほか全国各地約 300 校に出かけ、授業を受けた児童・生徒の総数は3万名以上にのぼります。


図1

図1: 「ふれあい天文学」で授業をする有本信雄さん。(クレジット:国立天文台)


  「天文学の道に進みたいという思いを小さい頃から抱いていたのですが、当時はどこに天文学者がいるか見当もつきませんでした。私にとって遠い世界だったんです。だからこそ今、天文学者を各地に派遣して、多くの子供たちに『触れて』もらえるような機会を作りたかったのです。」

  そう語るのは「ふれあい天文学」創設の中心人物である有本信雄さん (現・ハワイ観測所長) です。ハワイ観測所からも多くの研究者が「ふれあい天文学」に参加し、すばる望遠鏡に関しての授業を展開しています。有本さんは、研究者自身も大いに学ぶ機会なのだと力説します。

  「派遣されることが決まった後、不安な顔で毎日のように私に相談に来た研究者もいます。ですがその方は授業を終えてから、『また来年もやりたい』と目を輝かせていたのです。『ふれあい天文学』で成長するのは、むしろ研究者の方なんです。」

  有本さん自身にも思わぬ出会いがあったそうです。

  「私が故郷の新潟に授業をしに行った時、校長先生として出迎えてくれたのが、私の同級生だったんです。とても驚きました。授業後、一緒に恩師に会いに行ったのは良い思い出です。」


図2

図2: 田上小学校 (新潟県) 校長の有本先生と、ハワイ観測所長の有本さん。(クレジット:国立天文台)


   昨年度行った実施校アンケートからは、「ふれあい天文学」の満足度が極めて高いものであることがわかりました。有本さんは「大変好評をいただいていますが、学校と研究者をつなぐ連絡役としての事務局がうまく機能しているのも大きいと思います。お互いに授業づくりに集中できますからね」と分析します。

   「募金で運営していることもあり様々な制約がありますが、進路を決めるのに大事な時期にいる子供たちに語りかける機会をもっと作りたいです。各地の大学にいる研究者の協力も得ながら、多くのご要望にもお答えしたい。そしてその中から将来天文学を志す方が一人でも二人でも出てくれば嬉しいですね。」

  有本さんは「ふれあい天文学」のさらなる発展を見据えます。


  「ふれあい天文学」は国立天文台天文学振興募金事業の一環として行われているもので、その成果は愛媛大学で開催されている日本天文学会2016年秋季年会で報告されました (藤田、縣、有本「ふれあい天文学 6年間の軌跡 — アンケート調査から見えてきたこと」)。



<関連リンク>





画像等のご利用について

ドキュメント内遷移