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第2回すばる望遠鏡公開講演会「宇宙史のなかの銀河とブラックホールの生い立ち」を開催

2012年5月16日

  すばる望遠鏡は、最遠方の生まれたての銀河を多数発見するとともに、銀河たちが最も活発に星をつくった時代の宇宙の姿や、私たちの銀河系の生い立ちについても明らかにしてきています。その成果は国立天文台のウェブページや報道でご覧いただく機会も多くありますが、最近の銀河研究の流れと、その中ですばる望遠鏡がはたしている役割について、まとめて理解していただく機会として、公開講演会を開催 (国立天文台ハワイ観測所と TMT プロジェクト室の共催) しました。


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写真1: 会場の様子。約 330 人の参加をいただきました。


  講演会は2012年3月4日に、東京都内 (学術総合センター一橋記念講堂) にて開催され、国立天文台の3人の講師が銀河系から最遠銀河までお話ししました。トップバッターの有本信雄教授からは、全体のイントロダクションも兼ねて私たちの銀河系の形成と進化について講演がありました。銀河系も宇宙に数多くある銀河のひとつですが、これも周囲の銀河と関係しながら成長してきたことがわかっています。その理解のためには、銀河系のまわりに多数存在している矮小銀河の研究が鍵を握っているという最近の研究状況が紹介されました。

  児玉忠恭准教授からは、巨大な銀河の集団である銀河団が宇宙の歴史のなかでどう形成されてきたのか紹介されました。銀河の進化はその周囲の環境に大きく影響されるため、銀河団とそれ以外では銀河の育ちも大きく変わってきます。その様子を、人間社会とも対比しながら説明されました。また、銀河の中心では巨大ブラックホールが形成される場合があり、それと銀河の進化との関連も説明されました。

  最後に、柏川伸成准教授からは、最遠方で観測される、宇宙で最初に生まれてきた銀河たちの研究が紹介されました。より遠くの、より宇宙誕生に近い時代の銀河を調べていくには、すばるを超える次世代望遠鏡が待望されています。国際協力で推進している口径 30 メートルの巨大望遠鏡・TMT 計画によって、すばるの成果がどのように発展させられるのか、熱く語られました。


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写真2: 当日の講演者を務めた児玉さん (右)、柏川さん (中央)、有本さん (左)。


  この講演会には約 330 人の参加をいただき、講演後には多数の質問がでるなど、熱心に耳を傾けていただくことができました。講演会後のアンケートにも 200 人近くお答えいただき、「少し難しいところがあったが、興味深い内容だった」「質問に対する回答がおもしろかった」「もう少し時間をとって話を聞きたい」「講演で使った資料が欲しい」などのご感想、ご意見をいただきました。また、TMT への応援メッセージも多数お寄せ頂きました。

  今回は事前のウェブでのお知らせページに、講師からのひとことを動画で載せて講演会をご案内しました。アンケートの回答の中には、ウェブ上での講演の配信など、さらにつっこんだ提案もいただいています。今後もいろいろな形で、観測成果やこれからの展望などをわかりやすく紹介していきたいと考えています。




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