トピックス

すばる望遠鏡を支えるスタッフ(6)

2003年4月15日

今回は、ハワイ観測所のラボエンジニアを紹介します。普段は山麓施設の実験室や工場に居て、 観測装置の製作・開発・メンテナンス、様々な実験などを技術で支える仕事をしています。 今月は、ブライアン・エルムスさん、ラモス・ルシオさん、土井由行さんの登場です (情報は掲載当時のものです)。

 

ラボエンジニア
ブライアン・エルムス

― お名前と出身地、趣味を教えてください

 ブライアン・エルムス、マサチューセッツ州出身。趣味は溶岩の観察です。

― すばる望遠鏡で、どのような仕事をしているのですか?

 私の仕事は、機械製作修理工です。自分では「精密機器メーカー」と呼んでいます。依頼者の注文に忠実に答えられるように心がけています。 機械に関することは何でも私の仕事です。例えば、それぞれの部品がきちんと機能するように助言をしたり、それらを修理したりします。

 

― 現在の仕事へのきっかけは?

 1970年代半ばから父の仕事を手伝い始めました。カルフォルニア州のウィルソン山とパロマ―山にあるカーネギー望遠鏡やチリにあるラス・カンパナス天文台で精密機器の製作をした後、プリンストン大学の天文物理学部でスローンデジタルスカイサーベイ用のCCDカメラの製作に携わっていました。その後、すばる望遠鏡に来ました。

― なぜこの仕事を選んだのですか?

 物作りが好きで、若い頃はいつも地下室にこもり何かを組み立てていました。私の父はダイアモンドパウダーの冶金学者です。金属やダイアモンドの欠片を石切産業のために作っていました。父の仕事を手伝っている時に自分には機械製作が向いていると気が付き、また経験者達に才能を認められました。何かをするための道具を作るのが好きなんです。これまでに衛星の部品から映画(?)まで何でも作ってきました。

― 休日や空き時間は、何をしていますか?

毎週末1度か2度は、溶岩の上に立ち何が起こっているかを確認しに行きます。 溶岩の流れを初めて見た時から溶岩流に魅せられています。

― 若い方々へ、一言ありましたらお願いします。

学校へ行き学んでください。仕事をするならば、自分が情熱を傾けられるものをしてください。 私にとってすばるで働くということは挑戦です。もし、パソコンでちょっとしたミスを犯したらバックアップキーを押せばいいだけですが、すばるの様な繊細な機械装置の場合は大きな問題になります。精密機器メーカーという仕事は責任がある分大変ですが、その分素晴らしい価値があります。自分が造りだしたものが世界で最も優れた機械の一つだということは、自信につながります。また仕事は、どのような場面や状況にあってもやるべき作業を楽しみ、自分の仕事に誇りを持つことが大切です。

 


 

ラボエンジニア
ルシオ・ラモス

― 簡単な自己紹介をお願いします

 ルシオ・ラモス、ハワイ州出身です。

― バックグランドは?

 20年近くにわたり軍の技術者として主に通信機器などの仕事に携わっていました。IRTF(NASA赤外線望遠鏡施設)に二年間勤務した後、すばる望遠鏡に来ました。

― すばるではどのような仕事を?

 私は、すばる望遠鏡の装置/電気機器技術者として働いています。 IRTFでの仕事とほぼ同じ仕事ですが、すばるにはより多くの精密機器があります。主にそれぞれの機械や装置などまたプロジェクトに関しての技術的な面からのサポートをしています。 通常月2回ほど山頂に行きメンテナンスをしますが、トラブルがあった時は週に3回行くこともあります。これまでのところ順調にいっています。それぞれの機器を熟知し修理が必要なときなど迅速に対応できるように心がけています。

― 週末はどのように過ごしていますか?

 ほとんどの時間を家族と過ごしています。軍のトレーニングなどにも行く事もありますが、子供との時間を大切にしようとしています。

― ラモスさんに続く人たちに何かアドバイスはありますか?

私が言えることは、自分に何が必要なのかを自分で把握し、そしてそれを達成するために努力するということです。 例えどんなに困難なことや大きな障害があったとしてもやってみるまではどうなるか分かりません。自分を信じて突き進むことです。

 


 

ラボエンジニア
土井 由行

― 自己紹介をお願いします

 土井 由行、東京都出身。ハワイ文化の勉強や、オートバイなどが趣味です。

― これまでは、どのような事に携わっていましたか?

 工場のオートメーションを作る分野に携わり、そこに勤めていた経験でここに来たという感じです。 ここに来る前はビルの外装の設計をするような建築会社にいました。機械も電気もソフトウェアも加工も溶接も全てやりました。 幅広い分野を手がけなければならなかったので、かなり鍛えられました。そのときの経験が今、すばるで役立っています。すばるでは現地採用という形で働いています。

― すばるでどのような仕事を?

 装置 / 電気機器 技術者としてすばるで働いています。観測装置のメンテナンス等が主な仕事です。 現実的にやっているのは、各観測装置、例えばCIAOやSprime-Camのアップグレードの設計、製作、 調整から機能改善まで多岐にわたって任されています。

― なぜこの種の仕事に興味を持つようになったのですか?

 子供の頃から機械を作るのが好きで、小学生の時にラジオを組み立てたりしていました。そして今こうしてエンジニアになったわけです。

― 今までの経験から言えることは?

「かっこよく」なきゃいけない。 カッコ悪いものは作りたくないのです。ちゃんとした物はカッコいい。 ぱっと見てそれがちゃんと練られて設計されているか、技術者のセンスなどが分かるわけです。

― 週末はどのような過ごし方を?

ハワイアンの文化に興味があるので、ウクレレを弾いたりフラダンスの練習などをしたりしています。

― 若い人たちに何かアドバイスがあるとしたら?

自分がおもしろいと思った事を徹底してやることです。特に日本では、これはかなり大変なことですね。たくさんの困難があったり、転職の必要があるかもしれません。しかし信念を通すことで、道は拓かれると思います。

 

「すばる望遠鏡を支えるスタッフ」のリスト

 

画像等のご利用について

 

 

ドキュメント内遷移