第25回大型光学赤外線望遠鏡専門委員会議事録(案)

 

日時 : 平成10年5月12日 11:00-17:05

場所 : 国立天文台会議室

出席者: 安藤裕康、家 正則委員長、大谷 浩副委員長、梶野敏貴、高見英樹、

    田中培生、中井直正、林 正彦、舞原俊憲、山田 亨各委員

    海部宣男ハワイ観測所長、唐牛 宏すばる室長、小平桂一台長、

 (部分出席)馬場直志、宮崎聡、岩室史英、各氏

欠席 :定金晃三委員

 

1)議事録確認

・第24回大型光学赤外線望遠鏡専門委員会議事録案(資料25-1)の内容を確認し了承した。

 

報告事項:

2)すばる建設進捗状況報告

・海部ハワイ観測所長より、(1)プロジェクトの概況(現況、今後の基本工程、人員体制)、および(2)ファーストライトから試験観測への取り組み(カセグレン・ファーストライトの定義、映像企画の考え方、試験観測装置、実行体制、性能観測におけるサイエンス、望遠鏡時間配分、オープニングセレモニー)について、観測所側の考え方が紹介された(資料25-2)。関連して、2000年度からの共同利用の開始の見通しについて意見交換があった。

・安藤委員より、関連して光赤外の人事体制についてコメントがあった。

 

3)平成10年度すばる関係予算(校費)の概要

・林委員より平成10年度のすばる関連予算について説明があった。

 

4)第2期観測装置R&Dについて

・大谷観測計画小委員長より、平成9年度のR&D執行状況と、平成10年度の申請状況について報告があった(資料25-3)。小委員等による書面審査を経て6月中に小委員会を開催しヒアリングを行う予定である。

・林委員より、本年度は実験経費とR&D経費を設けたが、その振り分けについては天文台で検討する予定である旨、コメントがあった。

・また、主焦点多天体分光、広視野赤外カメラ、などについて意見交換があった。

 

5)試験観測装置中間レビュー

5-1)VTOS

VTOS装置PIの馬場氏よりベテルギウスのスペックル観測をVTOSによる試験観測テーマとして検討中であるとの報告があった(資料25-7)。望遠鏡性能試験への貢献などについて関連した議論があった。

5-2)Suprime-Camの開発状況

・宮崎氏より装置開発状況、スケジュール見通しについて報告があった(資料25-8)。装置の輸送は9月以降。試験観測の内容については次回専門委員会で報告してもらうこととした。

5-3)CISCO立ち上げ状況と試験観測

・舞原委員よりCISCOの立ち上げ状況とスケジュール見通しについて報告があった。

装置のハワイへの輸送は8月を予定(資料25-9)。

・岩室氏からCISCO試験観測項目案について CISCO-Deep Fieldを選定して、観測を計画していることなどについて具体的な説明があった(資料25-9')。

5-4)MIRTOSによるファーストライト

・林委員より、MIRTOSによる試験観測としてT Tau型星、βPicなどの観測を検討しているとの報告があった。

 

 以上の試験観測計画の検討状況報告を受けて、意見交換を行った。試験観測のテーマをより広い視野から再度練る必要があることが指摘された。その結果、特に VTOS, MIRTOS, Suprime-Camについては改めて、より詳細で具体的な試験観測計画書を観測所長宛に提出するよう委員長から依頼することとした。

 

6)「すばる観測装置合意書」改定案

・海部所長より、前回のすばる専門委員会での検討と装置グループからの要望を踏まえた改訂案が提示された。試験観測を機能観測と性能観測に分けること、性能観測時間を一定夜数をめどに保証するが、その執行は共同利用開始後にもまたがるものとすることが主たる改訂点である(資料25-5)。

・関連して質疑があり、概ね合意に達しうる内容になってきたとの意見が多かったが、再度関係者に開示して、次回専門委員会で最終承認する方針を確認した。

 

7)次回専門委員会

・次回専門委員会の日程を平成10年9月9日11時−17時とし、観測装置合意書最終案の承認、SuprimeCAM, CIAO, IRCS, AOについて試験観測計画でねらう天文学に焦点を当てた中間レビューを行うこととした。

                         (以上)