gopira symp: Subaru international partnership

day2: 2016/09/27

ULTIMATE-Subaru (美濃和)

• Q: MOIRCSの性能がMOSFIREをしのぐとあったが、すべての面でなのか？

• A: YES

• Q: 可変副鏡を使うとストレールが上がるといっていたが、そのときFOCASやMOIRCSはデコミッションされているのでは？

• A: それらの装置は活用の例として挙げた。復活させて使うことも考えられる。

装置開発のこれから (高遠)

• 今西：CHARISとRAVENには日本がもっと技術的に深くかかわる予定だったが、できなかった。その原因解明をする計画はあるのか？
• 高遠：どういう人を送り込めるか考え、相手先でどういう役割をするかを考えてやる。
• 今西：そうしたはずだが、できなかった。日本人が入ってないのに、大量のエンジニアリング時間を使った。
• 児玉：STCのイメージが良く伝わっていないと思う。今のSACとどう違うのか？
• 高遠：みな勝手なイメージをもっている。岩田さんに聞いたほうがよい。今のSACのようなものを自分は想定していた。
• 岩田：今のSACのようなもの、の理解でいい。
• 栗田：工学系の雑誌の天文特集号を来年2つ企画している。

非サーベイ型の観測 (吉田M)

• 大橋：TAOだと口径が違うからできないのか？分光器をつければできるのか？
• 吉田M：サイエンスによって違う
• 吉田M：真剣に考えている人は意見を言わないと反映されない。

「背景と交渉状況」岩田/大橋

• 家：すばるの今後を考えると新しいパートナーは重要。いまのUH時間（15%)の契約は失敗だった。不平等な契約だったと反省している。今後見直しを考えるべき。パートナーシップは慎重に考えるべき。場合によっては弁護士を立てる必要もある。TMTではそうしている。

• 岩田：今はUH時間を独立でやっているが、UHはSSPに興味があるため、今後はSSPへの参加を条件にUH時間の枠組みを見直すことも考えている。

• 山田：EAOとのパートナーシップについてはまだ何も決まっておらず中身が無いことを危惧している。具体的に何を目的としたパートナーシップなのか？ 17ABで既に6晩を与えているが、その対価として150K USDの根拠は？

• 大橋：150K USDはin kind contributionも含む。人を送ってもらう事を考えている。

• 山田：お金だけではなく人をすばるに送る事を考えているのであれば、どういう人をどこに何人送るなど明確では無い。

「国立天文台の提案」岩田

• 大橋：EAOもオーストラリアと同様に交渉を進めている。
• 山田：オーストラリアは長期的なパートナーシップのプランであり、具体的な対価が明確である。EAOは現在枠組みだけはあるが、将来のプランが明確では無い。
• 高田M：Cash+In kind contributionでパートナーシップを結ぶのは良いと思うが、それで望遠鏡に日本人と同様にアクセスできる訳ではなく、すばるは日本の望遠鏡であるため、パートナーには日本人に比べてなんらかの制限を設けるべき。CFHTはそれぞれのパートナーの間で条件が異なり、別々の運用をしている。
• 家：TMTでも、パートナーに対してTMTのプロジェクトオフィスが有利になるような条件を提示されている。

「SACでの議論」柏川

• 児玉：パートナーの候補になっている国の人々は、非サーベイ観測よりもサーベイデータへのアクセスに興味を持っているように思う。もしサーベイデータにアクセスできないとなると、パートナーシップへの興味を失うのでは？もし、非サーベイ観測にも興味ある場合でも、それにより非サーベイ観測（一般共同利用）の観測時間がさらに逼迫することになる。
• 柏川：その通りでバランスが難しい。

「質疑と議論」

• 大橋：EAOとのパートナーシップではASIAAは技術面での貢献を期待。それ以外の国からはCashの貢献を期待している。
• 山田：現在の150Kで6晩というのはどういうことか？将来的にはどうなるのか？ 予算はどこから出てくるのか？
• 大橋：JCMTにはEAOから2M USDが投資されている。それをやめればその分すばるに入ることになる。すばる（NAOJ）はEAOのメンバーに入っているので、その分を抜いた分がEAOからの貢献になる。
• 安田：オーストラリアがULTIMATEの装置開発でパートナーに入る事が良いとされているが、これまでHSC, PFSでも海外機関からの装置開発での貢献がある。オーストラリアだけがすばるのパートナーになると、HSC, PFSで開発を行ってきた海外機関に対して不公平になるのでは？
• 岩田：オーストラリアからの装置開発の貢献は一部であり、運営費に対してのCashでの寄与もお願いしている。PFS collaborationの人たちが不公平と感じないようにしなければならない。
• 高遠：安田さんの言う通りULTIMATEの装置開発への見返りにパートナーとして夜数を与えるとなると、HSC, PFSのパートナーに対してもめる事になる。不公平感を出さないよう条件をよく考えるべきである。
• 吉田M：In-kind contributionをしっかり定義する必要がある。In kind contributionのレベル（Cashでいくらに相当するか？）はそれぞれの国間で異なる。国際連携はどの国とも全部同じ条件にしなければいけない。ボードに同じ立場で入れなくなる。
• 岩田：オーストラリアとは2018年に開始するが、その時の条件は他のパートナーにも適用するつもり。1月のUMで具体的な案を出したい。あまり時間がない。
• 本原：パートナーシップではなく、時間の切り売りするケースも検討するべきでは？ パートナーシップでは、オーストラリアから多くのastronomerが入ってきて、すばるの時間を大量獲得する可能性もあるのでは？それは日本の望遠鏡のあり方として良いか？
• 高遠：単純に時間の切り売りだと、売った分だけ日本は確実に夜数を失う事になるため。パートナーシップの場合は、そこが競争になるため日本が失う夜数は曖昧になる。
• 岩田：regular programでは競争となるが、large programではアクセス権を与える事になる。
• 大橋：EAOではlarge programへのアクセス権を確保したいと考えている。
• 本原：カチッと決めておいたほうがよい。
• 高田M：単純に運用コストへの寄与だけでパートナーのアクセスできる範囲を決めるのではなく、望遠鏡の建設コスト、これまでの装置開発、アップグレードなど過去の日本の貢献分を考慮して、日本が有利になるように交渉を進めてほしい。
• 家：運用コストだけはあり得ない。建設コストもある。1夜いくらかは日本から提案できる。したたかさが必要。TMTでは最初にカリフォルニアが有利になるような条件を提示された。TMT並みのしたたかさが必要。
• 大内：お金で切り売りしない場合、互いのサーベイに加われるとのことだが、どれを指しているのか？
• 岩田：PFS SSPへのアクセスである。
• 大内：PFSではすでに独自のパートナーシップがあるため、観測所だけでは決められないのでは？時間切り売りをベースにして、サーベイデータへのアクセスについては、パートナーからのデマンドに応じて個別に対応する方が関係がクリアになるのでは？
• 本原：時間切り売りで一定の夜数が失われるのは当たり前。曖昧にする方が恐いのでは？
• 高田：PFSのsteering committeeにはまだすばるの国際共同運用でSSPへのアクセスを考えているという事を話していない。これから交渉していかないといけない。
• 大内：ALMAでは各パートナーが協力して、それぞれの時間を供出してlarge programを行っている。個別のパートナーに対してそれぞれ条件を決めて交渉するのは観測所への負担が大きすぎるのでは？時間の切り売りで条件を一本化した方が楽なのでは？
• 岩田：large programは核心的な部分なので、ユーザーが個別交渉するものではなく、観測所が主導して交渉するべきものだと考えている
• 土居：SACで自分も同じような発言をした。まずは時間を切り売りから始めて相手の出方をみて、必要であれば将来的にパートナーシップを結ぶというやり方が良いのでは？
• 岩田：文科省としては運用コストを減らすことが目的なので、切り売りでもパートナーでもどちらでも問題ない。
• 山田：時間切り売りでもパートナーシップでも一晩の価値は変わらない。ただ、時間の使われ方（TAC）が異なる。切り売りした分については相手任せ。パートナーの場合は持ち寄って一緒にやる。
• 高田：パートナーシップは長期計画。切り売りでは１年で終わってしまう可能性もあるのでは？
• 岩田：切り売りでも長期の契約を結ぶこともできる。
• 大橋：文科省への説明としては長期であることが必要。
• 佐藤：明日の総合討論でまた。