Subaru Telescope New Development Group
------------------------------------- 将来装置計画 所内ミーティング 2010/12/22 1pm - 3:30pm 出席者(順不同): 寺田、児玉、臼田、大屋、早野、高見、藤吉、今西、仲田、青木、西村、 美濃和、服部、能丸、田実、田村、岩田、友野(HP) 1. 近未来の装置整備計画策定について ・PFS以外の、alternativeな装置計画を検討することは、引き続き価値がある。 重要なのは、2015-16年までに完了できる計画であること。その先はTMTに配分 していくというのが方針。 ・これまでの所内ミーティングでの検討では、GLAOが一つの有力な候補であっ た。前回のミーティングでは、時間的に、可変副鏡しかできず、GLAO全体、 また装置まで含めた整備は難しいのではないか、という意見があった。 ・早野: GLAOを軸に検討するということでよいと思う。観測装置を含めた計画 であることが重要。GLAOの過去の検討(Gemini, VLT, Arizona (LBT)など)の調 査を行い、それをふまえて、すばるでどうするかを調べたい。 ・次の装置計画ワークショップは、次期AOを軸にしたいと考えている。 ・児玉: 他の望遠鏡のAOについても知るということであれば、国際的なものに してはどうか。 ・コミュニティへのひろがりが必要である。 ・臼田: SACでPFSの代わりはあるかと問われ、GLAOについて話した際、ユーザ 層が狭い、という意見があった。むしろPFSよりも広いはずであると言ったが、 まだ理解を広げていく必要がある。 ・時期としては、なるべく早くする必要がある。5月くらい。 ・臼田: 予算的、マンパワー的にPFSとGLAOを両方やるということはありえな い。 ・青木K: これまでも話はあったが進んでいない。具体的に人をアサインして 検討を行わないと進まないのでは。 ・ユーザーズミーティングで宣伝した方がよい。→ビジネスセッションの中で 検討をはじめることをアナウンスする。 ・GLAOのメリットは何か? →広視野(すばるの場合改造したら15分くらい)で解像度が向上する。0.3秒 くらい。可視光から赤外線まで。また、鏡の枚数が減るのでK-bandから長い方 では感度が特に向上する。 ・児玉: FMOSのアップグレードも考えては。検出器やグリズムを変えることで スループットが大幅に向上するなら非常に価値は高い。→既存装置のメンテナ ンス、改良をしっかりしていくことは別途必要。 ・まとめとしては、次世代AOについての検討を行う体制を早急に作る。研究会 を初夏頃を目処に準備する。観測所外からの参加についても打診する。 2. 1月18日の将来装置計画ワークショップについて ・ロードマップ的な議論は次の機会に行う。 ・冒頭の岩田の話でGLAO+装置の話を入れる。 [ 大学のサポートの在り方について ] ・東大のTAOの装置への協力: SWIMS, MIMIZUKUへのサポート、人的なものなど、 のようなサポートの仕方もある。 ・装置R&D経費を公募できないか 公式には、大学での開発のサポートは、共同開発研究経費で一括して行うこと になっており、かつてのように、すばるの運営経費から装置開発のサポートを 出すことは難しい。 ・一方で共同開発研究経費の審査は研究交流委員会で行っており、光赤外分野 での必要性と必ずしも一致しない配分となることも考えられる。 ・どのような形態が可能か、また望ましいか。すばるの経費の一部を共同開発 研究経費の方に組み入れて、「すばる枠」または「光赤外枠」として行うよう なこともありうるかもしれない。 ・かつて佐藤修二さんが行っていたR&D経費では、佐藤さんがサポートしてい る大学に実際に赴いて様子をみて、アドバイスをしたりしていた。そのような 観測所からのケアが必要である。それをするとしたらNew Developmentがする ことになるだろう。 ・R&D経費をやめて、大学での開発がすばるから離れてしまっている状況があ る。この状況はすばるやTMTの開発にとって危機的なものである。観山台長に は伝えているが、R&D経費を復活するところまで踏み切れてはいない。 ・小さいものでもサポートが必要。将来を見越して萌芽的なものをサポートし ていきたい。 ・GLAOなどは時間がかかるので、共同開発研究経費から始めて、競争的経費に つなげるような戦略的なサポートが必要 ・装置計画の公募もやってみるのがよいのでは。予めよく準備することが大切。 ・ハワイでは休日の開催となってしまい申し訳ないができるだけ参加して頂き たい。 ・TV会議システムのチェックをちゃんとして欲しい。 3. PFSについて [ 最近の状況と今後 ] ・Science WSが12/9-10に行われた。 http://www.naoj.org/Projects/newdev/pfsws201012/pfsws20101209.html ・SACが12/14に開かれ、すばるUMにむけてSACの立場が議論された。 ・SACがUM前に意見を出すというのはどういうことなのか→重要な決定に際し てコミュニティの代表としてのSACメンバーが意見を出し、話しあってとりま とめた提言である。 ・1/19-20(JST)のユーザーズミーティングでは、IPMUが装置説明をし、天文台 (ハワイ観測所)が受入側の説明をして、SACが上記のようなSACとしての意見を 表明した後、ユーザーの意見を出してもらう。 ・唐牛さんは3月にConceptual Design Review (CoDR)を、1年後にPreliminary Design Review (PDR)を行いたいとPFS WSで述べていた。 [ PFSの問題点 ] ・PFSのプロジェクトを進めていき、装置仕様が目標に達しない、資金調達に 失敗したなどの事態が起きた時にどうするのか、誰が止めるのかがはっきりし ていないことが問題だ。 ・問題が起きた時の責任の所在が明らかでない。IPMUが責任をとるのか。 ・MOUの中で、NAOJが何らかの失敗をした場合に、すばる望遠鏡の観測夜を提 供するという話がある。他の機関が失敗してもそのようなペナルティはないと したら、不公平だ。また、NAOJが装置を受け入れる立場であるとしたら、ペナ ルティというのはおかしい。 ・非常に性能の低い装置が持ち込まれたらどうするのか。 ・児玉: 大規模装置で人材育成ができるか。装置開発に日本の若手を入れるべ き、という話がSACからあったが、開発だけでなく、自分でプロポーザルを書 き、観測を行い、解析して論文にまとめる、という一連のプロセスがなくなり、 大規模サーベイのカタログデータを使うだけの学生ばかりになってしまうので はないか。 → 戦略枠の25%以外は通常の共同利用となるから、全くなくなるわけではない。 そのような大規模データを使ったサイエンスに向かっていく傾向があることは 確かである。 ・前の議論で、BAO以外のサイエンスを行う共同利用装置には使いにくい装置 であるという話があったが現在はどうか → 装置仕様が拡張され、0.4ミクロ ンから1.0ミクロンまたは1.3ミクロンまでカバーするようになったので、高い スループットが達成できれば、多様なサイエンスを展開できるようになったと、 12月のPFSWSでは認識された。 [ ハワイ観測所の立場 ] ・高見: ハワイ観測所としては、IPMUが装置の製作に責任を持ち、観測所は装 置がすばるにちゃんとつけられるように協力し受け入れ、コミッショニングに 責任を持つ、という体制を提案しており、そのために必要な人員についても文 書化して観山台長に伝えてあるが、台長の考えは別にあるようで、より積極的 なコミットメントを行いたいという意向があるようである。一方で人員の増加 に対しては消極的に思われる。 ・友野、臼田: 今の体制のままで受け入れるのは不可能。PFSを受け入れるに は必要なリソースは伝えてあるが、観山台長の考えは分からない、では困る。 PFSを受け入れるにあたっての付帯条件であることを明確に伝える必要。 ・何故NAOJの合意が形成できないのか?→観山台長は、まずコミュニティの意 見を聞いてから考えをまとめようとしているのではないか。 ・早くボードを作らないと決定ができないのではないか。現時点で意思決定を する構造が決まっていない。 ・共同利用装置でよいのか: コミュニティが共同利用装置とすることを求めて いる ・PFSが共同利用装置となるのであれば、他の装置のデコミッションを考える 必要についてUMで、明確な理由をつけてはっきり説明する必要。人員リソース の限界、夜数の制限、老朽化した装置維持のコスト。 ・FOCASがデコミッションされるとすると、小規模な天体の可視光分光はすば るでできなくなり、他の望遠鏡でやることになるだろう。 ・ハワイ観測所としては、すばる望遠鏡にスムーズにつけられるようにIPMUに 協力する、PFSをつけられる状態にするのはIPMUおよびPFSチームの責任、とい う立場である。この立場をユーザーズミーティングでも明らかにする。高見所 長のスライドは事前に今回のミーティング参加者には配布する。 (以上) -------------------------------------