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Subaru HDS++ OPE file Editor (hoe)

Screen Shot of hskymon

Subaru HDS++ OPE file Editor (hoe)は すばる望遠鏡高分散分光器 HDS およびその他いくつかの装置での観測を準備 するためのツールです。
観測に使用する観測手順書(OPE file)を 天体リストから作成することを主たる目的としていますが、 ファインディングチャートの作成、 エシェルフォーマットシミュレータ(EFS)、 積分時間計算機(ETC)、 他観測所も含めたアーカイブデータの検索など 観測準備に必要な様々な機能を持ち合わせています (機能的にはhskymonと 重複する部分が多くありますのでそちらの解説もご覧ください)。

現状でサポートしている観測装置は です。
以下、このページではhoeを使った HDSでの観測準備について解説します。

HDSではhoeが出力したOPE fileをそのままGen2 IntegGUIに読み込んで 観測を行うことを基本理念とします。 不要なトラブルを避けるため出力したOPE fileをテキストエディタ等で直接編集する ことは行わないでください。 サポートアストロノマとの事前相談では.hoeファイルをやりとりするとよいでしょう。
もくじ
ダウンロード
天体リストとして読み込むことができるファイル形式
      CSV(カンマ区切り)リスト
      OPEファイル
      非恒星追尾ファイル(TSC形式)
      非恒星追尾ファイル(JPL HORIZONS形式)
作成することができるOPEファイルのタイプ
      Base OPE
      Plan OPE
HDS用 Main Window (ver4.1.0準拠)
      メニューバー
      General タブ
      SV/AG タブ
      HDS タブ
      Main Target タブ
      Standard タブ
      DB / Finding Chart タブ
      DB / Main Target タブ
      EFS Line List タブ
      ETC タブ
HDS用 Obs. Plan Editor (ver4.1.0準拠)
      Obs. Plan Editor
      観測タスク
      観測プランのプロット
その他のツール
      Echelle Formati Simulator (EFS)
      Exposure Time Calculator (ETC)
      全天体のPDF Finding Chart
      Sky Monitor
      Elevation Plot Window
      Finding Chart
FAQ / 使い方
      OPEファイル作成の基本的な流れ
      観測プランのたて方
      サービス観測のプランのたて方
      I2セルを用いた観測
      イメージスライサを用いた観測
      天体に固有運動がある場合
      非恒星追尾観測
      sourceからのコンパイル



ダウンロード

最新版 ver6.0.1 (3/22/2024 リリース) [更新履歴]
macOS download macOS インストーライメージ
10.9 Mavericks以降; 64bit版
Gatekeeperからの警告が出る場合は、Ctrl+クリックで「開く」を選択して起動してください。
.dmg
(65.5MB)
Windows download Windows 64bit版 インストーラ
Windows 7以降
.exe
(23.7MB)
linux download linux deb (64bit) (Gtk+2)
for Ubuntu 18.4LTS
.deb
(1.7MB)
download linux rpm (64bit) (Gtk+2)
for CentOS 7
.rpm
(1.9MB)
source download ソースコード
UNIX/Windows/macOS共通。
ライセンス GPL3
sourceからのコンパイル (UNIX)
.tar.gz
(3.5MB)

- 最新版ソースはgithubからも ダウンロードできます。
     %  git clone https://github.com/chimari/hoe.git


天体リストとして読み込むことができるファイル形式


OPE Fileを作成するためには観測対象となる天体リストを作成する必要 があります。
Main Targetタブでフルスクラッチのリスト作成もできますが、 外部からリストを読み込みたい場合は以下のものを使用することができます。


     CSV(カンマ区切り)リスト
入力するのは天体の座標リストです。以下のようなフォーマットにしたがった テキスト形式のファイルを用意してください。
	天体名, RA(hhmmss.ss), Dec(ddmmss.ss), Equinox, 以下自由なコメント 
とした天体リストも読み込むことができます。
	HD94028     ,105128.1 ,+201639.0 ,2000,  [comments]
	BD+36 2165  ,111248.0 ,+354343.9 ,2000,  Mv=8.4  Fe/H=-2
	HD97916     ,111554.2 ,+020512.1 ,2000,  Mv=10.2 Fe/H=-2
	BD+51 1696  ,114635.2 ,+505254.7 ,2000   
	BD-13 3442  ,114650.7 ,-140643.5 ,2000,
          ....................................
メニュー → FileOpen(or Merge) Listで読み込みます。

また5カラムめに天体のMagを入れたリストを読み込むこともできます。
        HD94028     ,105128.1 ,+201639.0 ,2000,  8.2, [comments]  300x1
        BD+36 2165  ,111248.0 ,+354343.9 ,2000,  9.8, 480x1
        HD97916     ,111554.2 ,+020512.1 ,2000,  9.2, 420x1
        BD+51 1696  ,114635.2 ,+505254.7 ,2000,  9.9, 480x1
        BD-13 3442  ,114650.7 ,-140643.5 ,2000, 10.3, 600x2
          ....................................
どちらのリストにするかはポップアップしたチェックボックスで指定してください。
     OPEファイル
Gen2準拠のOPEファイルからターゲットを読み込みできます (メニュー → FileImport List form OPE)。
OPEファイル内<PARAMETER_LIST>部に以下のように OBJECT, RA, DEC, EQUINOX(順不同)が各天体一行で定義されている必要があります。
       <PARAMETER_LIST>  
       TGT_V5668Sgr=OBJECT="V5668 Sgr" RA=183656.87 DEC=-285539.30 EQUINOX=2000.00
       TGT_HD164536=OBJECT="HD164536" RA=180238.62 DEC=-241519.39 EQUINOX=2000.00
       TGT_sigSgr=OBJECT="sig Sgr" RA=185515.93 DEC=-261748.21 EQUINOX=2000.00
       TGT_HD149757=OBJECT="HD149757" RA=163709.54 DEC=-103401.52 EQUINOX=2000.00
       TGT_HD184915=OBJECT="HD184915" RA=193653.45 DEC=-070138.92 EQUINOX=2000.00
       TGT_V339Del=OBJECT="V339 Del" RA=202330.73 DEC=+204604.10 EQUINOX=2000.00
          ....................................
       </PARAMETER_LIST>


     非恒星追尾ファイル (TSC形式)
望遠鏡の非恒星追尾ファイルを読み込むことができます (メニュー → FileNon-SiderealMerge TSC File)。
	#1 Ceres on July 26 HST
	+00.0000 +00.0000 ON% +0.000
	UTC Geocentric Equatorial Mean Polar Geocentric
	ABS
	TSC
	500
	20010727000000.000 185406.057 -303521.41   1.953782861 2000.0000
	20010727003000.000 185405.055 -303524.50   1.953904593 2000.0000
	20010727010000.000 185404.053 -303527.59   1.954026432 2000.0000
	20010727013000.000 185403.051 -303530.67   1.954148379 2000.0000
	20010727020000.000 185402.050 -303533.75   1.954270432 2000.0000
	20010727023000.000 185401.049 -303536.82   1.954392592 2000.0000
	20010727030000.000 185400.049 -303539.90   1.954514860 2000.0000
                   ..........................
OPEファイルに記述されて いるものを自動的に読み込むのではないため、 マニュアルで読み込む必要があります。 OPEファイルと同じディレクトリにファイルを置き、 メニューから読み込んでください。
ファイルは こちらのページに記述に準拠したフォーマットである必要があります。 必ず、GeoCentricの座標を読み込むようにしてください。 hoe内部では GeoCentricを観測者基準座標(TopoCentric)に変換して扱います。

     非恒星追尾ファイル (JPL HORIZONS形式)
TSCフォーマットと同様に NASA JPL の HORIZONS の出力ファイルを直接読み込むことができます (メニュー → FileNon-SiderealMerge JPL HORIZONS File)。
必ず、
	"Epehmeris Type" = OBSERVER
	"Observer Location" = Geocentric
	"Table Settings" = 1. Astrometric RA & Dec, 20. Observer range
にした出力結果を読み込んでください。 Tableには上記以外が含まれていてもよいですが、 各epochが一行に収まっている必要があります。
Dateのフォーマットはカレンダー形式、JDのどちらでもかまいません。
また、HORIZONSの出力ファイルをTSCフォーマットに変換して保存(メニュー → FileNon-SiderealConvert HORIZONS to TSC)することもできます。



作成することができるOPEファイルのタイプ


hoeはに種類のOPEファイル -- Base OPE とPlan OPEを作成することができます。
基本的には観測の流れがつかめ、現場での作業がスムーズに行えるPlan OPEを作成することを推奨します。


hoe Chart

     Base OPE
Base OPE は各セットアップ、各ターゲット毎に観測するコマンドを列挙しただけの最も簡単なOPEファイルです。
ターゲットが多くある場合で順番を現場で逐次決定しながら観測を 行いたい場合はこの形式のOPEファイルでじゅうぶんです。

Base OPE ファイルはメニューの FileWrite Base OPEで作成できます。
       .......................
       #######  NonStd-1 2x1binning  #######
       
       # [1] V5668 Sgr    ,    Vmag=5
       #    NonStd-1 2x1binning / SV Guide / ImR=No
       SetupField Guide=SV Mode=SemiAuto $DEF_PROTO $TGT_V5668Sgr ReadRegion=200 CalcRegion=60 Exptime_SV=1000 IMGROT_FLAG=0 IS_FLAG=1 $SV_IS_X $SV_IS_Y $G_PARA ReadArea=Part
       GetObject IS_FLAG=1 $DEF_SPEC Exptime=300 SVIntegrate=1 $TGT_V5668Sgr
       GetObject IS_FLAG=1 $DEF_SPEC Exptime=300 SVIntegrate=1 $TGT_V5668Sgr
       GetObject IS_FLAG=1 $DEF_SPEC Exptime=300 SVIntegrate=1 $TGT_V5668Sgr
       
       # [2] HD164536    ,    Vmag=7.40  O7.5V
       #    NonStd-1 2x1binning / SV Guide / ImR=No
       SetupField Guide=SV Mode=SemiAuto $DEF_PROTO $TGT_HD164536 ReadRegion=200 CalcRegion=60 Exptime_SV=1000 IMGROT_FLAG=0 IS_FLAG=1 $SV_IS_X $SV_IS_Y $G_PARA ReadArea=Part
       GetObject IS_FLAG=1 $DEF_SPEC Exptime=600 SVIntegrate=1 $TGT_HD164536
       
       # [3] sig Sgr    ,    Vmag=2.058  B2V
       #    NonStd-1 2x1binning / SV Guide / ImR=No
       SetupField Guide=SV Mode=SemiAuto $DEF_PROTO $TGT_sigSgr ReadRegion=200 CalcRegion=60 Exptime_SV=1000 IMGROT_FLAG=0 IS_FLAG=1 $SV_IS_X $SV_IS_Y $G_PARA ReadArea=Part
       GetObject IS_FLAG=1 $DEF_SPEC Exptime=60 SVIntegrate=1 $TGT_sigSgr
       GetObject IS_FLAG=1 $DEF_SPEC Exptime=60 SVIntegrate=1 $TGT_sigSgr
       ....................................


     Plan OPE
Plan OPEではすべての観測コマンドが一晩の観測プランに従うように 順序立てされて記述されます。 すべてのコマンドの所要時間も計算され、目標時間がコマンドとともに 併記されます。

Plan OPEの作成には Obs. Plan Editorを使用します。
       .................
       ### SunSet 19:01, Twilight(18deg) 20:10   8/11/2016 ###
       
       ## [19:26]
       ###### Focus SV #####
       FocusSVSequence $DEF_COMMON
       SetStarSize $DEF_PROTO SEEING=0.60
       
       
       ## [19:31]
       ###### "sig Sgr", 60sec x2,  Setup-3 : NonStd-2 2x1bin, [SV Guide] #####
       # Vmag=2.058  B2V
       SetupField Guide=SV Mode=SemiAuto $DEF_PROTO $TGT_sigSgr ReadRegion=200 CalcRegion=60 Exptime_SV=1000 IMGROT_FLAG=0 IS_FLAG=1 $SV_IS_X $SV_IS_Y $G_PARA ReadArea=Part
       GetObject IS_FLAG=1 $DEF_SPEC Exptime=60 SVIntegrate=1 $TGT_sigSgr
       GetObject IS_FLAG=1 $DEF_SPEC Exptime=60 SVIntegrate=1 $TGT_sigSgr
       
       ## [19:37]
       ###### "ASASSN-16ig", 300sec x3,  Setup-3 : NonStd-2 2x1bin, [SV Guide] #####
       SetupField Guide=SV Mode=SemiAuto $DEF_PROTO $TGT_ASASSN16ig ReadRegion=200 CalcRegion=60 Exptime_SV=1000 IMGROT_FLAG=0 IS_FLAG=1 $SV_IS_X $SV_IS_Y $G_PARA ReadArea=Part
       GetObject IS_FLAG=1 $DEF_SPEC Exptime=300 SVIntegrate=1 $TGT_ASASSN16ig
       GetObject IS_FLAG=1 $DEF_SPEC Exptime=300 SVIntegrate=1 $TGT_ASASSN16ig
       GetObject IS_FLAG=1 $DEF_SPEC Exptime=300 SVIntegrate=1 $TGT_ASASSN16ig
       
       ## [19:57]
       ###### Setup Change (Cross Scan), Setup-1 : NonStd-1 2x1bin #####
       SetupOBE $DEF_SPEC SLIT_LENGTH=30000
       SetupOBE $DEF_SPEC FILTER_1=Free FILTER_2=SC46 CROSS_SCAN=18560
       ...................




HDS用 Main Window (ver4.1.0準拠)

     メニューバー
Main Menu

File Open List 天体リストとしてCSVファイルを新規に読み込む。
読み込みができる天体は最大5000天体まで。
Merge List CSVファイルを追加で読み込む。
Merge List from OPE 天体リストをOPEファイルから追加で読み込む。
Merge List from Config (.hoe) 天体リストをhoeファイルから追加で読み込む。
Non-Sidereal Merge TSC file TSC形式の非恒星追尾ファイルを読み込む。
Merge JPL HORIZONS file JPL HORIZONS形式の非恒星追尾ファイルを読み込む。
Convert HORIZONS to TSC JPL HORIZONS形式のファイルをTSC形式に変換して保存する。
Initialize Target List 天体リストをクリアする。
Write Base OPE Base OPE (各天体を観測するコマンドを使用モードごとに列挙しただけの簡単なOPEファイル)を出力する。
Upload OPE OPE他ファイルを観測で使用するために山頂Gen2システム (/home/oXXXXX/Procedureデイレクトリ)にアップロードする。
ハワイ観測所STNネットワーク内部でのみ利用可。
Write PROMS Target List すばるプロポーザルシステム(PROMS)に読み込ませるための 天体リストファイルを出力する。
天体リストにMag情報が付加されている必要がある。
Load Config .hoeファイルに書き込んだ作業内容をロードする。
Save Config 作業内容を.hoeファイルに保存する。
Change Instrument 観測装置を変更する。 変更を行うと観測プランは初期化されるので注意。
Quit プログラムの終了。
Geneealタブにあるフォント・ブラウザの設定はHOME$/.hoeファイルに 保存され、次回起動時に参照される。
Edit Obs. Plan Editor Obs. Plan Editorを起動して観測プランを作成する。
Text Editor (Saved OPE) 直前に保存したOPEファイルを編集するテキストエディターを起動する。
(機能があまりメンテナンスされていません。)
Text Editor (Select OPE) OPEファイルを選択してテキストエディターを起動する。
(機能があまりメンテナンスされていません。)
Tool PDF Finding Charts 天体リストにあるすべての天体についてファインディグチャートを 作成し、PDFに保存する。
Sky Monitor スカイモニターを起動する。
使い方はhskymonに準ずる。
Database Data Archive List Query SMOKA Main Targetタブの全天体にたいするSMOKAでの観測データのバッチ検索。
hskymonにある機能と同じで、一装置のみについて検索を行う。
HST archive HSTでの観測データのバッチ検索。
ESO archive ESOの各望遠鏡での観測データのバッチ検索。
Gemini archive Geminiでの観測データのバッチ検索。
Catalog Matching SIMBAD SIMBADでサーチ半径内にある最も明るいもの(Mag情報がなければ 最も近いもの)を検索する。
天体リストの座標の信頼性にもよるが、サーチ半径は なるべく小さい方がよい。
SIMBADの検索ではMag情報をMain Tagetタブにリストに付加する。
検索結果はDB / Main Targetタブに表示される。
NED NEDでのカタログマッチングを行う。
Mag情報は付加しない。
LAMOST DR3 LAMOSTでのカタログマッチングを行う。
Mag情報は付加しない。
GSC 2.3 Guide Star Catalogでのカタログマッチングを行う。
Mag情報をMain Tagetタブにリストに付加する。
Set Default Parameters to the list
PanSTARRS-1 PanSTARRSでのカタログマッチングを行う。
Mag情報をMain Tagetタブにリストに付加する。
PanSTARRSでは同一天体でも座標が少し異なって登録 されているため、注意を必要とする。
SDSS DR15 SDSSでのカタログマッチングを行う。
Mag情報をMain Tagetタブにリストに付加する。
GAIA DR2 GAIAでのカタログマッチングを行う。
Mag情報をMain Tagetタブにリストに付加する。
Kepler Input Catalog Kepler Input Catalogでのカタログマッチングを行う。
Mag情報をMain Tagetタブにリストに付加する。
2MASS 2MASSでのカタログマッチングを行う。
Mag情報をMain Tagetタブにリストに付加する。
Param for Standard 標準星を検索するときのパラメータ設定。
Object List WindowでStandard Locator/Rapid Rotator/Mid-IR Standardでの検索を行うときの条件を決定する。
Standard Search parameters dialog
Sky Area : 検索を行う範囲。Standard Locator/Rapid Rotator/Mid-IR Standardの3つに共通で有効。
Param for DB Query ファインディングチャート内の天体をデータベース検索する際のパラメータ設定。
Database Query parameters dialog
HDS EFS: Echelle Format Simulator エシェルフォーマットシミュレータ(EFS)を起動する。
ETC: Exposure Time Calculator Main Target タブで選択した天体について積分時間計算機(ETC)を起動する。
結果はETCタブに表示される。
Calc. S/N for all targets by ETC Main Targetタブの全天体についてETCを使用して 特定波長(デフォルトはRed CCD の青端のオーダー)の S/Nを計算し、リストに加える。
天体にはMag情報が事前に付加されている必要がある。
スペクトル型は全天体について同じものとみなされる。
Set Default Guide/PA/Exp. Main Targetタブの全天体についてガイドモード、 イメージローテータ(ImR)を使用した時のPosition Angle(PA)、 積分時間を設定する。
Set Default Parameters to the list
ExpTime using Mag. Main Targetタブの全天体について、 (ショットノイズlimitの条件下で)S/Nが等しくなるように 積分時間を自動計算する。
天体にはMag情報が事前に付加されている必要がある。
Set Default Parameters to the list
SV Guide mode selection GAIA DR2 (推奨) もしくは GSC 2.3 のカタログにアクセスしMain Targetタブの全天体について
  1. 指定半径以内のもっとも明るい星をターゲットとして同定する
  2. その天体の指定した距離(∼5 arcsec)内に指定Δmag(∼+3 mag)より明るい星がいたらdouble starである警告を出す
  3. SVのFOV(Acquisitionのずれを考慮して半径40arcsec)の中にターゲットに近いもしくは明るい天体がいないかチェックする
  4. 上記2と3に該当する場合はSV GuideをSafeモードとし、そうでない場合はGuide=SV (SemiAuto)とする
という作業を自動で行う。
この検索時に天体のMag情報もリストに付加される。
Download LOG 山頂観測終了後に観測ログ(がある場合)をダウンロードする。
山頂sumdaでHDS Log Editorを使用してた時のみこの機能が働く。
ハワイ観測所STNネットワーク内部でのみ利用可。
Info Check the latest ver. 使用しているバージョンが最新かどうかをチェックする。
About このプログラムについて。



     General タブ

観測に関する一般的な情報を記入します。

General TAB

  • DateはHST(ハワイ標準時)での観測日を指定します。
    x nightsで複数夜にわたる観測を指定しますが、 観測プランなどでは第一夜の日付を常に参照しますので、 複数夜にわたる観測を詳細に準備する場合は 毎夜日付を変えた観測準備をすることをおすすめします。

  • IDおよびPassは Gen2用のoアカウントのものを記入します。
    セキュリティの観点から、 すべてのパスワードは各自の環境のHOME$/.hoeファイル中に保存され、 *.hoeファイルには保存されません。 メールで*.hoeファイルをやりとりした場合などはパスワードを入れなおす 必要があります。

  • Base OPEではリストされた天体の トータルの積分時間および予想観測時間(= 積分時間+読み出し時間+ 各天体の導入・ガイド開始にかかる時間)を表示します。
    装置側の設定(Binningなど)を変更した場合は観測時間が正しくない場合が ありますので、Recalcボタンを押してください。
    サービス観測では予想観測時間が4時間を超えないような プログラムを設計してください

  • Plan OPEでは作成されたプランの観測時間を 表示します。上述のBase OPEの予想観測時間では天体導入は一律300秒を 見積もっていますが、Plan OPEでは天体の位置に基づく望遠鏡の 移動時間で計算しますので、こちらの方がより正確です。

  • Web Browser(UNIXのみ、ほか環境では デフォルトブラウザを使います)および Fontの情報はプログラムを正常終了する際に HOME$/.hoe ファイルに保存され、次の起動時に参照されます。

     SV/AG タブ

SV(Slit Viewer)とAG(Auto Guider)に関する情報を記入します。

SV/AG TAB

  • 通常デフォルトのままで変更する必要はあまりありません。
    特にHDSの観測ではAGは基本使用しません。

  • 16magより暗い天体を観測する場合は SVのExpTimeを最長5000msec程度まで 長めに設定するとよいです。

     HDS タブ

HDSの設定に関する情報を記入します。

HDS TAB

  • Wavelength Setupに観測で使用する 設定を5つまでストックできます。
    使用する設定は左端のチェックボタンをONにします。

  • 非標準な波長設定を使う場合は Non-Standard Setupに設定を記入(4つまでストックできます) したうえで、Wavelength Setupで "NonStd-X" を指定します。

  • CCD Binningは(空間方向) x (分散方向)です。
    分散方向に x2binできる目安はSlit Width > 0.45arcsec = 225μm (2pixel sampling)となります。

  • Image Slicerを使う場合はSlit Width4.0Length60.0 (arcsec)に指定してください。

  • 標準設定を使用する場合はオーダーカットフイルターが自動的に 指定されます。
    ただし、ADCを使用する場合 λ < 3600 Åの波長域がカットされますので、 7000 Åまでの観測であればオーダーカットフィルターを省略できます (特に明るい天体でなければ)。
    その場合は手動でフィルターを変更してください。

  • 非標準設定の場合はフィルターは手動で指定してください。

  • UVの観測(λ < 3600 Å)ではADCが使えないため、 イメージローテータ(ImR)をZenith modeで使用することが必要となります。

  • I2 セルを用いる観測ではI2にチェックを入れてください。

  • 分光器カメラ系のフォーカス位置, Camera Z, は 毎回ラン開始前の装置調整時に測定を行っています。
    Syncボタンを押すとネットワーク経由で最新の値に更新されます。

  • Cross Scan Calculatorは中心波長を入れると 使用コリメータ色およびクロスディスパーザのスキャン角を計算します。
    非標準設定を使う際に参考にしてください。

     Main Target タブ

観測する天体のリストです。

Main target TAB

  • リスト左端のチェックボタンは複数天体を選択して、それらのみを Elavation Plotしたいときなどに使用します。

  • 天体の等級, Mag, は手動もしくは メニューの DatabaseCatalog Matchingなどで付加することができます。
    OPEファイルを作成するのに必要不可欠ではありませんが、
    • 各天体のS/Nをリストできる (メニューのUpdateCalc. S/N by ETC)
    • 明るい天体のSetupFieldにSV Filterを挿入するパラメータを自動的に付加できる
    • Obs. Plan EditorでPlan OPEを作るときにSV Exposure timeを 自動で設定する
    • プロポーザル申請システム(PROMS)に入力するためのリストを出力できる
    • S/Nリストを作成することにより、Service観測用のリクエストを出力できる
    などのメリットがあります。

  • S/N はExpTimeで示された積分一回で得られるS/N比 (ETCで計算されたもの)を示します。 N回積分をしたトータルのS/N比を知りたい場合はルート(N)倍してください。
    スペクトルがsaturateしているときは背景がピンクになります。

  • ImRPAはスリットのPosition Angle (PA; North is up = 0 deg, East is up = +90 deg)です。 イメージローテータを使用していない場合は、この値は無視されます。 通常の星(点源)の観測ではイメージローテータは使用しませんので、 SV画像の方位角は望遠鏡の位置と追尾によって時々刻々変化します。 イメージローテータを使用した場合はSV画像が鏡像になるため、 注意してください。
    Slit PA = 0 deg                                         Slit PA = 90 deg
    PA = 0 deg (N is up) PA = 90 deg (E is up)
  • Guideは望遠鏡のオートガイド方法を以下から指定します。 通常はSVもしくはSV[Safe]のどちらかを指定すればよいでしょう
    このふたつの選択はメニューのHDSSV Guide mode selectionGAIA(推奨; またはGSC)でデータベースでターゲットとFOV内の天体を検索し、自動でおこなうことができます。天体の座標確認の他にMag情報も導入され、観測に支障の出る伴星の有無もチェックできるため、事前に必ず行うようにしてください。
    なお、固有運動が大きな天体や非点源の場合はこの機能はうまくあてはまりませんので、各自マニュアルで設定してください。
    • No : ガイドなし = トラッキング
    • AG : AGカメラを使用したガイド (現在はほとんど使用していない)
    • SV : SVガイド (SemiAutoモード)。 スリット上にあるターゲット自身のSV画像でガイドを行います。 望遠鏡到着後のacquisition画像でSV画面(視野 φ ∼ 1 arcmin)内に あるもっとも明るい天体を検出し、それを自動的にスリット中心に移動させます。
    • SV[Safe] : SVガイド (Safeモード)。 スリット上にあるターゲット自身のSV画像でガイドを行います。 天体が非常に暗いもしくは混み合っている場合などで、 自動検出ではあやうい場合はSafeモードにすることによって、 導入時に観測ターゲットをマニュアルで指定します。
      A target which  SemiAuto mode can be applied                                         A target which Safe mode should be applied
      SemiAutoモードを使える場合
      (ターゲットが一番視野内で明るい)
      Safeモードを使うべき場合
      (ターゲットより明るい星が視野内にある)


  • S1S5にHDSタブで設定した (最大)5つの波長設定のうちどれを使うかを天体毎に指定します。

  • 下部ボタンのViewPlotで 天体高度(他)のプロットウインドウを起動します。

  • 下部ボタンのViewFCで ファインディングチャートウインドウを起動します。

  • 下部ボタンのViewETCで 選択した天体についてETCを起動します(天体のMag, ExpTime等が自動に入ります)。
    計算結果はETCタブに表示されます。

  • 下部ボタンのViewPMで 天体の固有運動を確認・編集します。

  • 選択した天体について外部ウェブでの検索結果を表示できます。

  • 選択した天体の周囲で標準星を選択します。
    これらの機能はhskymonのそれに 準じます。

  • 右下の時間は現在表示しているRise/Transit/Set時間 を計算した日時になります。

     Standard タブ

標準星の検索結果を表示します。

Standard TAB

  • 検索結果は順不同なので、天体からの距離, Dist., で ソートして適当なものを選択してください。

  • メインターゲットに加えたい場合は、天体を選択して下部の + Main targetボタンを押してください。

     DB / Finding Chart タブ

ファインディングチャート上で検索を行った周囲の天体の情報を表示します。

DB / Finding Chart TAB

  • 選択した天体を下部ボタンの+ Guide Starで ガイド星に登録できます。
    しかし、HDSでは通常ターゲット天体自身の漏れ光でガイドを 行いますので、現在のところこの機能に意味はありません。

  • 左上のSave queried list to CSV fileで 検索結果をCSVファイルに出力できます。

     DB / Main Target タブ

Main Targetタブに登録されたすべての天体について、 データアーカイブ上での検索やカタログマッチングを行った結果を 表示します。

DB / Main Target TAB

  • 各天体について検索結果の詳細をみたい場合は下部ボタンの ← Show Detailで DB / Finding Chartに表示させることができます。

  • 左上のSave queried list to CSV fileで 検索結果をCSVファイルに出力できます。

  • 右上で選択をして表示させるデータベースを切り替える ことができます。
    ただし、データアーカイブでの検索は最新の一種類のみしか記憶できません。

     EFS Line List タブ

EFSやETC上に表示させるラインのデータです。

EFS Line List TAB

  • Stellar Absorption, Nebular Emission, High-z QSOはそれぞれの代表的な ラインを記載したテンプレートですが、他にも自由にラインを 記入できます。

  • 天体のRedshiftも記入できます。

     ETC タブ

ETCの計算結果を表示します。

ETC TAB

  • 背景水色が Blue CCD、 ピンクがRed CCDに相当します。

  • Bad columnが当たるオーダーや、Saturateしたオーダーは左端に 記述されます。

  • タイトル部分にマウスカーソルをオーバーラップすると 計算に使われたパラメータを見ることができます。

  • 右上のRecalc ETCボタンでパラメータを 変えた再計算ができます。

  • 右上のDisply Echelle Formatボタンで計算に使った エシェルのフォーマットを見ることができます。

HDS用 Obs. Plan Editor (ver4.1.0準拠)

     Obs. Plan Editor

メニューのEditorObs. Plan Editorから起動する観測プラン作成のためのツールです。
観測タスクを挿入していくと所要時間が自動的に計算された観測プランを作成できます。


Obs. Plan Editor

  • GUIは上から
    • タスク
    • Setup
    • 観測プラン
    の三段構成になっています。
    Setupを選択した上で、 観測プランで選択した行(タスク)の直前にタスクを挿入していく形になります。

  • 各タスクの行をダブルクリックすると タスクの内容の確認・変更ができます。

  • バックアップ天体をプランの中に組み込んでおきたいときは、 一度観測タスクを通常通りに登録しておいてからその行をダブルクリックし、 Back up target?にチェックを入れてください。
    バックアップ天体としてコマンドは挿入されますが、所要時間の計算には 含まれなくなります。

  • SetupはMain WindowのHDSタブで選択したSetup 1∼5(のうち使用チェックを入れたもの)が色別に表示されます。
    各Object(およびComparison)のタスクがどのSetupで撮りたいか指定してあれば、Setup変更のためのタスクを自分で挿入する必要はありません。必要なObjectタスクを挿入した後にObs. Plan Editor下部のRefreshボタンを押すことにより自動的に必要なSetup変更タスクが挿入されます。
    Setup変更後は特殊な事情のない限り、必ずComparison(=Th-Ar)を取得することをおすすめします(こちらは各自で必要な箇所に挿入してください)。

  • Obs. Plan EditorのメニューからFileWrite Plan OPEとすると観測プランに従ったOPEファイルを 出力することができます。
    またFileWrite Plan Text で観測プランをテキストファイルに出力することができます。

  • Obs. Plan Editor起動中はMain Windowからのファイルの読み書きや HDSタブでのSetup変更、Main Targetタブでの天体追加・削除など一部機能が 制限されます。
    それらを行う必要がある場合はObs. Plan Editorを一度閉じてから行ってください。
    Obs. Plan Editorを再び起動すればプログラムを終了していない限り 作業はそのまま再開できます。
    また、観測プランの作成状況も *.hoeファイルに保存されます。

  • 観測開始時間を夕方からにするか 指定時間(後半夜の観測などで使用)にするか、 GUI下部にあるエントリーで指定できます。




     観測タスク

各タスク左端の+マークボタンで タスクをプランに挿入できます。
Object/Setup/BIAS/Comarison/Flatの各タスクはHDSのSetupに依存しますので、 使用するSetupに変更したうえでタスクの挿入を行ってください。
CALの取得など夜間以外にも実行できるタスクにはDaytimeの チェックがあります。夜間以外に行う場合にはこのチェックを入れれば、 所要時間は無視されます。


  • Object (Setupに依存)
    天体を観測する。
    基本的にはSetupField(天体の導入)とGetObject(積分)のペアとなるが、 どちらか一方のみという選択もできる。
    (All Objects)を選択すると"+ Object"ボタンで Main Target TABにある全天体をプランに追加できる。 このとき積分時間・ガイドはリストのものを、HDS Setup はObs. Plane Editor のものを参照する。
    Obs. Plan Editor : Object TAB


  • Focusing
    望遠鏡のフォーカス調整。
    FocusSVSequence もしくは FocusAGSequenceだがHDSでは通常SVしか使用しないため 前者を使う。
    Obs. Plan Editor : Focusing TAB


  • SetAzEl
    望遠鏡をマニュアルで特定のAzElに移動させる。
    望遠鏡のケーブルラップを防ぐため、天体の順番などを考慮して必要ならば挿入する。
    通常Gen2 IntegGUIのランチャからコマンドを発行する。
    Obs. Plan Editor : SetAzEl TAB


  • Setup (Setupに依存)
    HDSの設定を変更する。
    HDSは(コリメータ, クロスディスパーザ)の色設定に赤と青の二種類あるが、 その変更が必要な場合はFull Change(所要10min)を、 変更が必要でない場合はCross Scan(所要1min)を選択する。
    スリットのみの変更もできる。
    通常、ユーザーはこのタスクを意識して挿入する必要はあまりない。Obs Plan Editor下部のRefreshボタンや Plan OPEのSave時などに自動的に必要な箇所に必要な設定変更タスクが挿入される。 なお、設定変更に伴うComparisonの取得や望遠鏡のFocusingなどは自動挿入されないので、必要に応じてユーザーがタスクを追加する。
    Obs. Plan Editor : Setup TAB


  • I2Cell
    I2セルの出し入れを行う。
    出し入れにともない副鏡のzも変更される。
    I2セルを使用する際はセルの有り無し計二回のFocusingが必要になるので注意。
    Obs. Plan Editor : I2Cell TAB


  • BIAS (Setupに依存)
    BIASの取得。
    波長設定には依存しないが、Binningには依存する。
    通常は観測の開始時および終了時に5枚ずつ取得、Binning設定変更後に 余裕があれば確認のために一枚取得する程度。
    Obs. Plan Editor : BIAS TAB


  • Comparison (Setupに依存)
    Comparison (Th-Ar)の取得。
    取得の際CAL probeの設定はOPEファイルから行うよりも オペレータに依頼してTWSから操作してもらった方が速い。
    HDSの設定を変更した後、変更する前には少なくとも一枚取得したい。
    Obs. Plan Editor : Comparison TAB


  • Flat (Setupに依存)
    Flat (Halogen lamp)の取得。
    CAL probeの操作についてはComparisonと同じ。
    通常、夕方もしくは朝にまとめ撮りを行うため、夜間観測時間には影響しない。
    Obs. Plan Editor : Flat TAB


  • Comment
    自由なコメント行の挿入。
    所要時間も設定できるので、上記タスク以外の待ち時間の必要な作業が ある場合(イメージスライサの取り付け・取り外しなど)は時間を記入する。
    Obs. Plan Editor : Comment TAB


  •      観測プランのプロット

    Obs. Plan Editor下部のPlotおよび SkyMonボタンから観測プラン用のプロットツールを 立ち上げることができます。

  • Elevation (etc.) のプロット
    Plot Windowを立ち上げ、右上のPlotをObserving Planとすると、各Objectタスクでの天体位置をプロットできる。
    Elevation Plot : Obs. Plan


  • Sky Monitor
    Sky Monitorを立ち上げ、左上のModeをPlan (Object) もしくはPlan (Time)とすると、 各Objectタスクでの天体位置をプロットできる。
    望遠鏡位置に無駄なラップがある場合はSetAzelタスクを入れて調整を行う。
    Sky Monitor : Obs. Plan


  • その他のツール

         Echelle Format Simulator (EFS)

    メニューのHDSEFS: Echelle Format Simulatorなどから起動します。
    Main WindowのEFS Line Listタブに着目したいラインの波長を記入しておけば 図中にプロットされます。


    EFS

    • Web上のEFSと同じで、 Free Spectral Rangeも表示できます。

    • PDFの出力も可能です。

         Exposure Time Calculator (ETC)

    メニューのHDSETC: Exposure Time Calculatorからダイアログを起動します。
    Web上のETCと同じ計算を行います。
    結果はETCタブかMain TargetタブのS/N欄(メニューのUpdateCalc. S/N by ETCを使った時)に表示されます。


    ETC parameter dialog



         全天体のPDF Finding Chart

    メニューのToolPDF Finding Chartsなどからダイアログを起動します。
    画像のソース、サイズ、使用装置などを入力し、一天体一ページに収められたPDFの Finding Chartが作成されます。 サービス観測用に10mag以下の天体をスキップすることもできます (もちろん天体のMag情報がリストに付加されている必要があります)。


    PDF Finding Charts dialog



         Sky Monitor

    メニューのToolSky Monitorなどから起動します。
    機能はhskymonの簡易版ですが、観測プランに従った天体位置のプロットができます。


    Sky Monitor



         Elevation Plot Window

    Main Targetタブ下部のViewPlotなどから起動します。
    機能はhskymonのそれにほぼ準じますが、観測プランに従った天体位置のプロットができます。


    Elevation Plot Window



         Finding Chart

    Main Targetタブ下部のViewFCなどから起動します。
    機能はhskymonのそれに準じます。


    Finding Chart



    FAQ / 使い方

         OPEファイル作成の基本的な流れ
    ターゲットリストをCSVリストファイルで用意する
    (もしくは、hoe上でフルスクラッチで作成する)
    hoeを起動してリストを読み込む
    (メニューのFileOpen List)
    Generalタブで観測日時等を設定
    (アカウントがまだわからなければ飛ばしておけばよい)
    HDSタブでHDSの設定を記入。 Main Targetタブの各天体で使用する設定(S1∼5)にチェックを入れる。
    (EFSで設定を確認する)
    必要ならばMain Target タブ下部のボタンから標準星を探してMain Targetに追加しておく。
    SVガイドモードの選択をおこなう(メニューのHDSSV Guide mode selectionGAIA またはGSC)。ターゲットリストにMag情報が付加されるので次項のETCなども利用できるようになる。
    特定のバンドでのMag情報がほしい場合は メニューのDatabaseCatalog matching→SIMBAD, GSC, SDSSなどを使う。取得できなかった天体については別のデータベースで再取得できる。
    ETCなどを駆使して積分時間、回数を決定し、Main Targetタブのリストに記入する。
          
      もっともシンプルなOPE (Base OPE) を出力する場合  
    ターゲットが多数あり、現場で順番を逐次判断したい場合などはこちらを利用します。
             観測プランに従ったOPEを出力する場合 (Plan OPE)  
    観測の流れがつかめるため、通常はこちらを推奨します。
          
    メニューのFileWrite Base OPEでOPEファイルを保存する。        メニューのEditObs. Plan EditorでObs. Plan Editorを起動し、観測プランを作成する。
          
           Plan Editor メニューのFileWrite Plan OPEでプランに従ったOPEファイルを保存し、Plan Editorを閉じる。
    Main Window メニューのFileSave Configで *.hoe ファイルに作業した内容を保存する。
    保存した *.hoe ファイルをSupport Astronomerにメイルする。
    と、SA側でも同じ内容を再現でき、観測準備がスムーズに行われます


         観測プランのたて方
    • まず初めに
      基本的には
      1. まず夕方にHDSの設定を変更   [Setup]
      2. BIASFlat の順に CAL (= Calibration frames)を取得する   [BIAS] [Flat]
      3. 複数波長設定を使用する場合は 1 → 2を繰り返す。 その際、最初の天体に使う設定が最後になるようにするとよい。
        すべてのCALフレームをとる時間がない場合は一部を朝に回すことも考える。
        また、binningが同じならばBIASは飛ばして構わない。 いずれにせよ、実際の解析ではBIASはほとんど使用しないため、 それほど重要ではない。
      4. 最初の天体に使用する設定で Comparison (= Th-Ar)を取得して 日没を待つ  [Comparison]
      5. 望遠鏡を最初の天体のAzにむける  [SetAzEl]

        ------------- ここまでは日中の作業なので所要時間を 観測時間の計算に入れない -------------

      6. 日没後 20分程度でFocusSVを開始できる  [Focus]
      7. 明るめの天体から観測を開始する  [Object]
      8. あとは好きなように天体をならべ、必要に応じてフォーカス調整・ Comparisonの取得などを挟む。
        Obs. Plan Editor と Sky Monitorを同時に使うと 全天体の位置を把握しながら選択ができ、順番を決めるのに役立つ。  [Object] [Focus] [Comparison]
      というような流れになります。 [  ]内は使用するタスク。

    • フォーカス調整の頻度は?
      • 観測開始時
      • 夕方は望遠鏡の温度変化が大きいため、観測開始後2時間程度で一度はさむとよい。
      • 真夜中に一度
      • 余裕があれば明け方に一度
      が基本です。
      I2セルを使用する場合は セル無しで一回、セル有りで一回それぞれフォーカス調整が必要になります。I2セルを入れることによるフォーカスの移動値はδz=+0.15程度です。
      イメージスライサを使用する場合は、フォーカスがδz=+0.5程度シフトしますので注意が必要です。なお、積分中(HDSのシャッターが開いている間)はスライサ素子に焦点を合わせるためδz=-0.45程度このシフト量を戻します。

    • Comparison (= Th-Ar)の取得頻度は?
      一晩中同一設定を使い続ける場合は、要求精度にもよりますが通常 夕方と明け方の各一回に加えて夜中のどこかで一回取得しておけば十分です。
      HDSの波長設定を変更する場合はその前後で一回ずつComparisonを取得するとよいでしょう。

    • HDSの波長設定変更の仕方
      前述のように
      1. 変更前の設定でComparisonを取得
      2. 波長設定を変更
      3. 変更後の設定でComparisonを取得
      4. ADC/ImRの変更 and/or イメージスライサの付け外しなどを入れた場合は CAL probeのシャットダウン後にフォーカス調整を行う
      という流れになります。
      CCD binningの変更を含む場合は変更後のComparisonの前にBIASを一枚取得し、 データを確認するとよいでしょう。


         サービス観測のプランのたて方
    • サービスの流れ
      1. まずHDSの設定を変更。
        変更前の設定は予測できないので"Full Cahnge"としておく。   [Setup]
      2. 必要ならばSAが判断してFocusSVを行う   [Focus]

        ------------- ここ以降、所要時間を観測時間(合計4時間以内)の計算に入れる -------------

      3. Comparison を取得  [Comparison]
      4. 天体を並べる  [Object]
      5. Comparison を取得  [Comparison]
        (どちらか一方は省略も可)

        ------------- ここまで、所要時間を観測時間(合計4時間以内)の計算に入れる -------------

      6. Flat は夕方、もしくは明け方に取得するので 観測時間の計算にいれなくてよい   [Flat]


    • サービス観測プロポーザル
      • リストには余計な天体 and/or 積分は含めない
      • リストのすべての天体にMag情報を加える
      • すべての天体についてETCでS/Nを計算しておく
        (上記の過程は輝線天体には使えません)
      • General TABのBase OPE → Estimated Obs. Time が4時間を超えないようにする。 プロポーザル中 5. Observing run の Hours にはこの数字を記載してください。
      • 観測プログラムが複雑な場合(頻繁なComparisonの取得、I2セルの出し入れがある場合など)は Obs. Plan Editor でサービス観測のプランを作成し、 所要時間を見積もる
      • Menu → File → Write Service Request でプロポーザルに添付するテキストファイルを作成する


         I2セルを用いた観測
    • 系外惑星の視線速度モニターなどでI2セルを用いた観測では、通常同一波長設定でセルを有または無で天体を露出します。
      このような観測を行いたい場合は、HDSタブで使用するSetupを指定し(通常はI2aもしくはI2b)、右端にあるI2をチェックしてください。
      セル入りとセルなしで二つのSetupを用意する必要はありません。
    • その上で、Obs. Plan EditorにてI2セルの出し入れのタスクを必要な箇所に挿入してください。
    • Obs. Plan Editorで下部のRefreshボタンを押すことにより、I2セルが入っている状態で行われるタスクには冒頭に[+i2] が挿入されます。また、Comparison等キャリブレーションの取得タスクの前には自動的にセルをOutにするタスクが挿入されます。
    • Setup指定にI2のチェックが入っていると、Flatタスクでセル入りのフラットを取得するように自動的にコマンドが挿入されます。
      • スリットでの観測では使用するスリット幅で一枚、0.2arcsec スリットで一枚
      • イメージスライサでは一枚のみ
      セル入りのフラットが取得されます。
    • Setup指定にI2のチェックが入っていると、Comparison(Th-Ar)をDaytimeに取得するときに0".2スリット幅でもデータを取得するコマンドが自動挿入されます(スリット観測のみ)。
    • I2セルはスリット前に挿入されるため、望遠鏡のフォーカス位置が約+0.15mm移動します。
      このため、セルなしとセル入りで計二回のFocusSVを行う必要があります。


         イメージスライサを用いた観測
    • イメージスライサを使用する場合はHDSタブの使用するSetupにてISを使用するユニットにします。
    • イメージスライサが選択されているとOPEファイル内ではSetupでのスリット設定は参照されず、自動的に4".0×60".0にセットされます。
      スリットの設定は変更する必要はありません。


         天体に固有運動がある場合
    • HDSのスリットビュアーは直径約1arcminの視野(イメージスライサを使用する場合はさらに狭くなります)しかないため、固有運動によって天体の座標が移動している場合は調整が必要になります。
      hoeの天体リストでは各天体の固有運動の情報を以下のいずれかによって追加できます。
      • Main Targetタブにて"+"ボタンで天体を追加するときにSIMBADで座標を検索すると固有運動が登録されている場合は自動的に付加されます。
      • 天体リストを読み込んだあとで、メニューのDatabase→Catalog Matching→SIMBADでSIMBADでのMagnitude検索を行うと固有運動情報が登録されているものはそれをリストに付加します。その際ダイアログ上でImport proper motions via SIMBAD?をチェックしてください。
      • Main Targetタブにて天体を選択し、下部のPMボタンを押します。ポップアップしたダイアログで固有運動の数値をマニュアルで編集してください。
        Proper Mition in Main target TAB
    • Main Targetタブの天体リストでRAもしくはDecいずれかの固有運動が100mas/yrを越える場合は座標の表示が緑色になります。
      このような天体ではOPEファイルの出力時に座標がGeneralタブで指定した観測期日のものに自動修正されます。
                PMTGT_BarnardStar=OBJECT="Barnard Star" RA=175747.51 DEC=+044448.24 EQUINOX=2000.00
                # TGT_BarnardStar=OBJECT="Barnard Star" RA=175748.50 DEC=+044136.21 EQUINOX=2000.00
      というように$PMTGT_...の登録名になり、最初に入力した座標はコメントアウトされた形になります。
    • ファインディングチャートの表示中心は入力された座標のままのため注意が必要です。
      ファインディングチャート上でSIMBAD/GAIAなどでデータベース検索を行うと固有運動が登録されている天体は緑色のドット()で指定した観測期日の座標が示されます。目標天体がはみ出している場合は視野サイズを変更してチャートをダウンロードしなおしてください。
      Finding Chart for Barnad star
      Barnard starのファインディングチャート


         非恒星追尾観測
    • 非恒星天体(惑星, 小惑星, 彗星など)は追尾ファイル(TSC形式 or JPL HORIZONS形式)を読み込むことでMain Targetタブに追加できます。
      実際に観測する場合はTSC形式の追尾ファイルが必要になりますので、JPL形式のものはTSC形式に変換(メニューFileNon-siderealConvert JPL to TSC)してから読み込むとよいでしょう。
    • 追尾ファイルで天体を読み込むとMain TargetタブのNoteに 追尾計算の範囲が表示されます。 日時の設定が計算の範囲内である場合は青色範囲外である場合は赤色で座標が表示されます。
      Non-sidereal object in Main target TAB
    • 現在のすばる望遠鏡の仕様では、ガイドを行う場合は望遠鏡の駆動は恒星時トラッキングになります。
      したがってスリット上に非恒星天体をのせてかつガイドを行いたい場合は、
        非恒星追尾ファイルを使って天体をacquisition (SetupField)
        → 天体をスリット上に乗せてガイド開始
        → 恒星時追尾に切り替わる
        → 非恒星天体の移動をSVガイドで補正しながら観測、
      という手順を踏むことになります。
      この場合、天体の移動が数arcsec/min以上になるとガイドでの補正が難しくなるため、 Guide=NOでSetupFieldを行う必要があります。
    • ファインディングチャート上では非恒星天体の起動を確認することが出来ます。
    • TSC形式に変換した追尾ファイルを忘れずにSAに送付してください。


         sourceからのコンパイル (UNIX)
    1. コンパイルするのに必要なライブラリは
      gtk+2 (ver2.24 or later), libxml2, openssl, libssh2, json-c の開発環境になります。パッケージ名は例えば

      Developper's Package names of     in Ubuntu 18.04LTS          in CentOS 7     
      glib2libglib2.0-devglib2-devel
      openssllibssl-devopenssl-devel
      gtk+2libgtk+2.0-devgtk2-devel
      libxml2libxml2-devlibxml2-devel
      libssh2libssh2-1-devlibssh2-devel
      json-clibjson-c-devjson-c-devel

      のようになりますが、お使いのディストリビューションによって パッケージ名は変わってきますのでご注意ください。

    2. sourceの取得。
      1. sourceのtarを展開してディレクトリに移動。
      2. gitからダウロードする場合
          % git clone https://github.com/chimari/hoe.git
        でクローンを作成した後に
          % cd hoe
          % touch configure configure.ac aclocal.m4 Makefile.am Makefile.in
        としてください(aclocal関連エラーを避けるため)。
    3. ./configure
      aclocalうんぬんでconfigureが蹴られる場合はかわりに ./autogen.sh を使ってください。
    4. make
    5. sudo make install
      実行ファイルは hoe というバイナリのみになります。





    Akito Tajitsu
    Last modified: Fri Mar 22 16:50:02 JST 2024


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