すばるが解き明かす宇宙 Ⅳ

銀河の世界

 星の大集団・銀河には、いろいろな形のものがあり、大きさもさまざまです。その多様性がいかにしてつくられてきたのか……、これは多くの研究者が取り組んでいる問題です。銀河は互いに衝突・合体を経てつくられたとみられ、その研究が銀河形成を理解する鍵と考えられています。


NGC2403

 すばる望遠鏡主焦点カメラがとらえた渦巻銀河 NGC2403 (距離約 1000 万光年) 。私たちから比較的近くにあるこの銀河の全貌をとらえるには広い視野をもつカメラが必要です。この銀河は、渦の巻き方が比較的緩い Sc 型とよばれる銀河で、銀河系の半分ほどの重さをもち、内部には多量の中性水素ガスをもつことが知られています。渦巻の腕には、活発に星生成を行う赤色の領域や青色の若い星の群れ、ダストによって星の光が隠されている暗黒帯が見られ、いままさに多くの星が誕生している銀河であることがわかります。



活動銀河のまわりにひろがる巨大ガス雲

 活動銀河 NGC4388 (距離 6000 万光年) のまわりに大きさが約 11 万光年もある電離した水素のガス雲が発見されました。画像の中で、銀河の中心から左上の方向にひろがる紫色や赤色に見えているのが発見されたガス雲です。活動銀河の中心部には、太陽の 100 万倍もの重さの超大質量ブラックホールがあるとされ、そこに物質が落ち込む際に強い放射を出していると考えられています。ガス雲は銀河の周囲の高温ガスあるいは小さな銀河との相互作用の結果できたものと考えられています。



銀河団

 銀河は宇宙のなかでしばしば群がって存在しており、その群れは銀河団とよばれています。上の画像は、宇宙年齢が現在の約半分であった、約 70 億年前の大型銀河団の中心部の姿です。画像の一辺はおよそ 450 万光年、すなわち私たちの銀河系からお隣のアンドロメダ銀河までの距離の約 2 倍に相当します。わずかこれだけの空間に数百の銀河がひしめいています。赤く見える銀河は鎖状に分布し、重力で引き合ってより大きな銀河団へと進化していく途上にあるとみられます。また、銀河団の中心部の青く細長く延びた銀河は、さらに遠方の背景銀河から来る光が、銀河団による重力レンズ効果によって曲げられ、歪んで見えているものです。



研究者からのコメント:

 すばる望遠鏡は広い視野にわたって細かい構造を見ることのできる天体撮像を得意としており、また同時に多くの天体を分光観測できる装置ももち、近傍から数十億光年かなたにあるひろがった構造をもつ天体の研究に威力を発揮しています。今後、ALMA などの他波長での観測と連携して、より詳しい銀河の進化が見えてくると期待されます。

太田耕司 京都大学准教授





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