すばるが解き明かす宇宙 Ⅰ

太陽系

 太陽系は、惑星とその衛星、小惑星、彗星、海王星以遠の小天体など、多様な天体から構成されています。探査機などでの調査も進んでいますが、すばる望遠鏡もさまざまな観測で活躍しています。


崩れゆシュヴァスマン・ヴァハマン第 3彗星

 2006 年に接近したこの彗星の核は、何十もの小さい核へと分裂をしている様子が確認されました。その中で、すばる望遠鏡は、B核とよばれる彗星核を地球から1650万キロメートルの距離にある段階で撮影し、ごく最近この核から分裂したと考えられる多数の微小な破片を写し出すことに成功しました。それぞれの破片が「小さな彗星」となっている様子がとらえられています。



ディープインパクトの中間赤外線観測

 NASAのディープインパクト探査機がテンペル第1彗星に衝突した瞬間を、すばるのCOMICSが中間赤外線でとらえました(2004年)。他の地上望遠鏡からの観測結果とあわせて、彗星の表面とその内部を構成する物質が明らかにされ、彗星の起源に新しい知見をもたらしました。



エッジワース・カイパーベルト天体

 太陽系外縁部には「エッジワース・カイパーベルト天体」とよばれる小天体が無数に存在しています。これらの天体は、時間をおいて観測すると背景の星たちの間を移動していきます (図)。すばる望遠鏡は、主焦点カメラの広い視野を生かすことにより、このような天体を効率よく見つけることができます。




研究者からのコメント:

 すばる望遠鏡は、太陽系内でもこれまで見えなかった微かな天体を発見しつづけています。太陽系の果ての天体たち、火星と木星の間にある特に微小な小惑星や、彗星が崩れていく様子などをとらえてきました。これらの天体は太陽系の初期の状態を保存している化石といえるもので、これらをどんどん観測することで、太陽系の歴史を解き明かすことに貢献していくでしょう。

渡部潤一 国立天文台准教授





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