銀河形成解剖ワークショップ
"Resolved Views of Galaxy Formation and Evolution"

日時: 2012年5月29日(火) - 31日(木)
場所: 国立天文台ハワイ観測所ヒロオフィス

趣旨

光赤外望遠鏡の補償光学や面分光装置などの技術革新によって、これまで主に点として見てきた遠方銀河が、最近では面として捕らえられるようになってきました。また科学的運用を開始したALMAも高い感度と分解能により遠方銀河をつぶさに解剖します。次世代の補償光学(広視野、多天体化)の計画も進み、さらにTMTの時代になれば遠方銀河の解剖はその真骨頂を極めることでしょう。銀河の星とガスの 内部構造(空間と速度)が分解され、銀河間相互作用、星形成活動の分布、化学進化の進行、AGN活動、フィードバック、ガスの流れ、などの様々な物理過程が手に取るように詳細に分かるようになってきます。ついには銀河形成・進化の基本的な物理がかなりの部分理解される時代が、そう遠からずに来るのではないかと期待を込めて思い描いています。

このような背景の中、銀河研究の観測家(光赤外と電波)と理論家が一堂に会し、現状の理解と今後の展開について様々な観点から議論することは非常に有意義でタイムリーであると確信します。そして強力なワーキンググループを結成し、ALMAやIFU装置などに戦略的に観測提案を行い、観測と直接比較可能な理論シミュレー ションを構築することによって、この時代を率先して切り拓いていければと思います。そこで、ALMA-cycle1の締切りも見据え、キックオフ研究会を開催します。

世話人: 児玉、秋山、本原、岩田、青木賢、今西、有本、河野、伊王野、和田桂、岡本崇、長島

プログラム

[Program PDF] [講演スライド集 (要ユーザ名&パスワード)]

《 5/29 , Tuesday 》

  • 9:30-10:00 受付 (参加費支払い)

午前 (10:00-12:05) 座長: 秋山

  • 10:00-10:05 研究会の趣旨説明(児玉)
  • 10:05-10:35 児玉 :光赤外で見た銀河形成研究の現状
  • 10:35-11:05 河野 :電波サブミリで見た銀河形成研究の現状
  • 休憩(10min)
  • 11:15-11:45 岡本 :理論シミュレーションで見た銀河形成研究の現状(I) High-redshift discs and their descendants at z=0
  • 11:45-12:15 河田 :理論シミュレーションで見た銀河形成研究の現状(II) Chemodynamics in spiral galaxies and dwarf Irregulars

午後 (13:50-17:00) 座長: 児玉

  • 13:50-14:20 岩田 :nuMOIRCS / すばる次世代AOで探る銀河形成 (分光)
  • 14:20-14:40 美濃和:すばる次世代AOで探る銀河形成 (撮像)
  • 14:40-15:00 中西 :ALMA Capabilities
  • 15:00-15:30 田村 :ALMA + サブミリ波分光で解剖する遠方銀河の星間物質
  • 休憩(20min)
  • 15:50-16:20 秋山 :TMT-AO 赤方偏移1-2の宇宙における巨大ブラックホールの統計的調査
  • 16:20-16:40 松田 :銀河形成と銀河周物質
  • 16:40-17:00 今西 :Coevolution and interplay between AGNs and galaxies at z=0-4
  • 17:00-17:15 済藤: Cosmological Evolution of SMBH mass-Bulge mass Relation investigated by SDSS QSOs at z∼3

《 5/30, Wednesday 》

午前 (09:00-11:20) 座長: 本原

  • 09:00-09:20 伊王野:Observing Molecular Gas in Distant SMGs using the NRO 45m
  • 09:20-09:40 植田 :衝突銀河における分子ガスの運動
  • 09:40-10:00 矢部 :すばるFMOSで解剖する激動期の星形成銀河
  • 10:00-10:20 小野寺:Deep near-IR spectroscopy of passively evolving galaxies at high redshift
  • 休憩(10min)
  • 10:30-10:50 太田 :丸い円盤銀河はいつできたか?
  • 10:50-11:20 長島 :銀河の統計量と物理量・物理過程の関係
  • 11:30- 自由時間
  • 山頂見学:岡本, 本原, 河田, 中西, 小野寺, 矢部, 梅畑, 長島, 泉, 太田, 五十嵐, 植田, 児玉

《 5/31, Thursday 》

午前 (09:30-12:10) 座長: 岩田

  • 09:30-09:50 林 :MAHALO-Subaruと更なる精密調査の必要性
  • 09:50-10:10 小山 :環境効果解剖に向けて:観測的アプローチ
  • 10:10-10:30 但木 :The accelerated growth of massive, star-bursting galaxies at z>2
  • 10:30-10:50 田中壱:電波銀河周りのGiant Gas Haloについて
  • 休憩(20min)
  • 11:10-11:30 本原 :Paαで解剖する近傍星形成銀河
  • 11:30-11:50 青木 :中間赤方偏移銀河のアウトフロー現象
  • 11:50-12:10 有本:最遠方銀河団CL1449+0856(z=2.07)研究のその後の進展

午後 (13:40-17:00) 座長: 河野

  • 13:40-14:00 廿日出:高分解能観測で探るサブミリ波銀河の正体
  • 14:00-14:20 五十嵐:Are there submillimeter galaxies at z∼6?
  • 14:20-14:40 梅畑 :原始銀河団領域におけるサブミリ波銀河形成
  • 14:40-15:00 泉 :dense gas tracerで探る銀河のエネルギー源
  • 休憩(20min)
  • 15:20-17:00 総合議論(100min)
    • ALMAプロポーザルへ向けて
    • すばる次世代AO/IFUへ向けて
    • TMTへ向けて(装置とサイエンス)

懇親会(18:30-) at Hilo Hawaiian

参考資料

  • 近赤外線観測装置のサマリ [PDF] (岩田)
  • ALMA感度計算のまとめ [PDF] (田村陽一)

懇親会

5月31日(木) 18:30-

Hilo Hawaiian Hotel Queen's Court Restaurant
71 Banyan Drive, Hilo, HI 96720