―自己紹介をお願いします
すばる主焦点カメラSuprime-Camのサポートサイエンティスト、古澤久徳です。出身は岐阜県です。趣味は、絵やイラストを描くこと、天体観望、ポップスなどの音楽を聞くことですね。休日はビーチで泳いだり妻とカクテルを作って一緒に楽しんだりしています。
―天文学を志した理由を教えてください
小さい頃は、母親に夜読み聞かせてもらった「科学のお話」というような科学読本で、宇宙や昆虫などいろんなものに興味を持っていました。中学の頃、好きな理科の先生から小さい塩化ビニール製の天体望遠鏡をもらったことがきっかけで、岐阜天文台に通うようになりました。高校の天文部で飛騨の方に天体観望に行った時、寝転ぶと見たこともない満天の星空がわーっと広がっていたんですよ。それで地球の動きや宇宙のスケールを感じて、この分野に携わっていきたいなあと漠然と思うようになりました。直接のきっかけは、受験のときに宇宙の研究ができる大学を選んだことですね。
―古澤さんにとって天文学の面白さとは?
天文学の世界ではいろんな国や地域の人々がそれぞれ細かい複雑なことを研究しているんですね。それらひとつひとつが明らかになりまとまった時、ひとつの大きな物語を紐解く伏線になっていることがあるんです。そういうのが醍醐味ですね。
―専門の研究分野とそこに興味を持ったきっかけなどを教えてください
遠方の銀河、わたしたちの銀河系外の銀河の性質を調べています。いろんな形をした銀河という、とても大きな構造物がいったい宇宙年齢137億年の中でどういう歴史を送ってきたのかというのを物理的に調べることに興味があります。もうひとつは、天文少年だったころに夢中になって見ていた淡い天体を自分の研究分野にしてみたいなあというのを大学3年生くらいの時に思うようになりました。
―Suprime-Camのサポートサイエンティストになった動機を教えてください
ハワイ観測所には2002年春から始まった観測所大プロジェクトSDFとSXDSがあります。主焦点カメラの集光能力を存分に生かした、遠方銀河のデータセットを作るという2つのサーベイをするために赴任してきました。2つのプロジェクトと同時にSuprime-Camの観測サポートをして養ったスキルを世界中の研究者への手助けという形で生かしたいと思ったことと、この装置を通して自分の観測天文学者としてのスキルも磨きたいと思ったことですね。
―Suprime-Camの特徴と最新の成果を教えてください
8メートル級の光学赤外線望遠鏡の望遠鏡の中では唯一主焦点にカメラを持っているのがすばるで、そのカメラがSuprime-Camなんです。中でもサーベイ観測と呼ばれる、一度にたくさんの天体を撮影して、珍しい天体や遥か遠方にある若い銀河系を見つけるという観測に力を発揮しています。一番の成果は赤方偏移が6.6つまり128億年前の銀河をいくつも発見したことです。(http://www.subaru.naoj.org/Pressrelease/2003/03/j_index.html)これは可視光で見える最も遠方にある銀河を見て、銀河の進化の過程を解明するという、Suprime-Camが作られた目的に適ったものです。最近は同じような観測の方法で銀河団と呼ばれる銀河が沢山集まって出来ている集団が宇宙の一番遠くで見つかりました。(http://www.subaru.naoj.org/Pressrelease/2005/02/16/j_index.html)
―天文学に携わる仕事がしたいと思っている人たちにアドバイスをお願いします
あまり凝り固まらなくていいと思います。僕自身もずっと漫画家になりたいと考えていて、まさか研究の世界に足を踏み入れるなんて思っていませんでした。その時々で感じたことや出会った人を大事にしていくことは大切ですよね。頑張ってください。
Suprime-Camの詳細ページ

CIAOサポートサイエンティスト
石井未来 |
―簡単な自己紹介をお願いします
CIAO(コロナグラフ撮像装置) サポートサイエンティストの石井未来です。出身は東京都青梅市。趣味は、読書、水泳、スキーです。
―天文学を志したきっかけを教えてください
大学までは固体物性の研究室にいましたが、大学院に進むときに天文学の研究室を選びました。なぜ天文学かと言われると面白そうだったからというところなんですが、もうちょっと一生懸命考えてみると、子どものころの環境と大学を北海道の田舎で過ごした関係で、星を見る機会が多かったというのがありますね。それと高校生の時に朝永振一郎さんの「物理学とはなんだろうか」という本を読んで天文学とか地球物理とかは面白そうだなと思ったのがきっかけの一つかと思いますね。
― 専門の天文学の研究分野は何ですか?
生まれたばかりの若い星の研究をしています。主に近赤外線の波長域で撮像、分光、偏光観測をしてその天体がどういう進化段階にあるのかを調べることに興味を持っています。
―CIAOの特徴を教えてください
CIAOの正式名称はCoronagraphic Imager with Adaptive Optics(コロナグラフ撮像装置)といってコロナグラフと補償光学を用いた近赤外カメラです。コロナグラフによって中心の明るい星を隠すことで周囲にあると思われる暗い星や星周円盤などを観測するのに適した装置なんですね。普通の撮像装置だと明るい主星の近くにある暗い構造というのは、主星の方が明るすぎて見えないわけです、CIAOはそういう主星をコロナグラフで隠すことによってダイナミックレンジを広げている、つまり分解能の性能を高くするというところが特徴ですね。
―CIAOのサポートアストロノマーになったきっかけはなんですか?
2年間、三鷹の国立天文台で研究員をしていましたがその期限が切れる時期とCIAOのサポートサイエンティストの公募の時期が重なったので応募しました。私も観測天文学をしているのでサポートサイエンティストとして観測のお手伝いをすることで、自分の観測の経験が積めるのが魅力でした。
―ヒロの生活はどうですか?
こちらに来て4ヶ月目ですが、気候がよくて過ごしやすいですね。
―天文学やすばる望遠鏡で働きたいと思っている方たちにアドバイスをください。
一番は楽しめればいいなということだと思うし、後は何か不思議に思うことや疑問に思うことがあったら自分なりに追求してみるという姿勢を持つことが大事なのではないかと思います。
CIAOの詳細ページ