すばる望遠鏡
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すばる望遠鏡を支えるスタッフ (10)

今回も引き続き、サポートサイエンティスト(サポートアストロノマー)の皆さんを紹介します。

AOサポートサイエンティスト
大屋真

―お名前と出身地、趣味を教えてください

 波面補償光学装置(AO) サポートサイエンティスト、大屋真です。東京都出身、趣味は水泳、ジョギング、サーフィン、それから旅行です。

―ハワイ観測所に来るきっかけを教えてください

 もともとは、通信総合研究所(現在は独立行政法人情報通信機構)で大気が揺らぐ現象やシャープな画像を撮る方法を研究していました。すばるのAOシステムは、大気の揺らぎを補正してシャープな天体画像を撮る装置ですので、ハワイ観測所はまさに私の経験が生かせるところだと思います。(補償光学のしくみ

―仕事内容についてお聞かせください

 AOシステムを使う観測者から届く装置や観測情報に関する質問に答えたり、装置のメンテナンスや改良を行ったりしています。メンテナンスというのは、本当に大切な仕事なんですよ。すばるの装置はこの世に一つしかない、初めて作るものなので、どんなことにも対応できるようにシステムを熟知している必要もありますね。

―仕事上で気をつけていることは?

 観測が成功することが一番大切なことです。事前に観測者とよく相談して手順について確認するなど、観測が順調に進む環境づくりを心がけています。観測前日に会って話をするまでは、メールなどで小まめに連絡を取り合うようにしています。

―専門の研究分野は?

 通信総合研究所時代からやっている、大気の揺らぎを補正してシャープな画像を得る技術の開発ですね。それに関連して、画像をぼやけさせる原因になっている揺らぎの計測をすることも行っています。望遠鏡で完全にぼけた像を撮ると、大気の揺らぎの「瞳像」というでこぼこが見えます。そのでこぼこ加減の大きさから、どの位の高度に揺らぎの層があるのかが分かりますし、それが移動する様子から揺らぎの層の移動するスピードも分かるんですよ。

―休日はどのように過ごしていますか?

 家族との時間を大切にしています。よくハワイ島の西側にあるコナに泳ぎに行きますよ。

―同様の分野を目指す人たちにアドバイスをお願いします

 チャンスはいろんなところにありますので、とにかく色々やってみることだと思います。自分なりに色々考えて、あーでもないこーでもないとやってみる。これは全てのことに関して言えると思いますよ。


AOの詳細ページ

 


 


IRCSサポートサイエンティスト
寺田宏
―簡単な自己紹介をお願いします

 近赤外分光撮像装置 IRCS サポートサイエンティストの寺田宏です。出身は京都府京都市。趣味は、野球、サッカー、ラグビーなど球技全般ですね。

―天文学を志したきっかけを教えてください

 小さいころから宇宙全般には興味がありましたが、いわゆる天文に興味を持ち始めたのは、ずい分と後になってからです。宇宙の成立ちを知りたいという理由で大学では素粒子物理を勉強し、大学院では赤外線天文学の研究室に入りました。そこで色々な機器を作り始めたことが天文学を専門にしたきっかけですね。

―天文学での専門研究分野は何ですか?

 若い星や惑星がいかにできるか、その進化の過程で起こる化学反応を主に研究しています。観測で物質の吸収量を調べ、例えば星の周りにどれくらいの水の氷や有機物があるかというのを系統的に時系列で探していきます。

―なぜその分野を研究しようと思ったのですか?

 この分野は、これまでまったく分かっていなかったんです。我々の太陽系でいえば、彗星や小惑星などの始原物質の観測はたくさんされていましたが、太陽系外ではそういった物質の痕跡さえも見つけられていませんでした。大学院生のころになると、世界で口径8メートルクラスの望遠鏡ができて赤外線の装置が発達し、太陽系外でも彗星や小惑星のような天体の成長過程が捉えられるようになって来ました。この研究を手始めに、「我々生命はどこから来たか」という壮大なテーマに挑みたいと考えています。

―近赤外分光撮像装置(IRCS)の特徴や強みなどを教えてください

 近赤外線のことであれば、なんでもできる装置がIRCSです。撮像はもちろん、低分散の分光をして水の氷やメタンの量を測定したり、高分散分光で物質がどのように動いているかという運動学もできます。波面補償光学装置(AO)の機能を発揮させながら、分光や撮像もできるというのも強みですね。IRCSは、AOを使った分光の成果を世界で一番出している装置だと思いますよ。

―今までで一番のIRCSでの成果というものは何ですか?

 一つはAOを使った撮像です。AOを効かせながらすばるディープフィールド(SDF)のさらに遠方にある暗い天体の撮像に成功しました。それが今のところ近赤外では世界で最も深い(遠方まで写っている)データになっています。その他にも若い星が成長していく際に放出されるジェットのメカニズムを高分散分光で調べることによって非常に大きな知見が得られました。

―IRCSのサポートサイエンティストになったきっかけや動機を聞かせてください

 もともと装置を開発してきていたというのが大きな理由ですね。装置が動きはじめのころは、実際に組み立ててきた人のサポートが必要なんですよ。

―休日の過ごし方を教えてください

 家族サービスをしています。

―天文学をやっていきたいと考えている大学院生になにかアドバイスをお願いします。

 最高のデータを精力的に効率よく取りたいと思ったら、ハワイに来てほしいですね。最先端でものを動かしているところなので、いれば必ずデータは取れていきます。しかも現場だからこそ、データを取る際に必要な情報も多いですし、興味があれば観測装置作りにも参加できます。そういう意味でもハワイ観測所、そしてマウナケアにいることは非常に大きなメリットです。ここには他にも世界の最高峰の観測所・研究所がそろっているので、ぜひハワイに来て天文の研究を一緒にやりましょう!


IRCSの詳細ページ

 


2005年3月24日
 
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すばる望遠鏡を支えるスタッフの目次

 ・スタッフ 1 - ハワイ観測所長: 安藤博康
          所長室: 関口和寛、デビィ・グチエ
 ・スタッフ 2 - デイクルーチームチーフ: 臼田知史
         
デイクルーメンバー: 小俣孝司、倉上富夫
 ・スタッフ 3 - デイクルー: 沖田喜一、中桐正夫、宮下暁彦
 ・スタッフ 4 - デイクルー: 浦口史寛、大島紀夫、神沢富雄、湯谷正美
 ・スタッフ 5 - ハワイ観測所長: 唐牛宏
 ・スタッフ 6 - ラボエンジニア: ブライアン・エルムス、ルシオ・ラモス、土井由行
 ・スタッフ 7 - オペレーションセンター: 山下卓也、林左絵子、並川和人
 ・スタッフ 8 - オペレーションセンター: 能丸淳一、トモコ・フューセレイ、ジェームス・ホプキンス
 ・スタッフ 9 - サポートサイエンティスト: 田実晃人、藤吉拓哉
 ・スタッフ 10 - サポートサイエンティスト: 大屋真、寺田宏
 ・スタッフ 11 - サポートサイエンティスト: 青木賢太郎、古澤久徳、石井未来
 ・スタッフ 12 - 大学院生: 鈴木竜二、小西真広、吉川智裕、木村仁彦
 ・スタッフ 13 - ハワイ観測所長: 林正彦
 ・スタッフ 14 - オペレーター: ロバート・ポッター
 ・スタッフ 15 - 事務室: Emi Poppas、大槻典子
 ・スタッフ 16 - 望遠鏡グループ: 友野大悟、根岸智
 ・スタッフ 17 - コンピュータシステム管理者: 河合淳、キアイナ・シューベルト

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