すばる望遠鏡
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Conference Logo ハワイ島で銀河系中心に関する国際会議の開催

 私たちの銀河系 (天の川銀河) の中心部分に関する国際会議が11月3日から 8日まで、ハワイ島コナ市において開催されました。世界各国から100 名を越す天文学者たちが一同に集まり、最新の研究成果について議論が行わ れました。銀河系中心の研究は、この天の川銀河だけでなく、一 般的な銀河の中心部分 (銀河中心核) に関する理解を深めることになるとい えるでしょう。

 私たちの銀河系は、およそ2,000億個もの恒星が直径約100,000万光年の渦を 巻いている姿をしています。その中心部分を構成しているのは、円盤状に分 布した1,000億個以上の恒星やガス、チリです。銀河系中心からおよそ 25,000光年離れたところにある太陽は、秒速240キロメートルもの速さで銀 河系の周りを運動しています。しかし太陽が生まれた約50億年前から今日ま での間、太陽はわずか20周しか回転していないことになります。

 詳しい研究が進むにつれ、近傍にあるほとんどの銀河の中心部分には、太陽 の百万倍以上もの質量を持つブラックホールが存在していることがわかって きました。私たちの銀河系の中心にも、ブラックホールがあるという有力な 証拠が得られています。物質が非常に高密に集まっているブラックホールは、 重力が非常に強いため、光ですら表面から出てくることができません。この ようなブラックホールを「見る」には、周囲にあるガスや星に重力が与える 影響を調べたり、星間物質がブラックホールに落ち込む際に加熱して発する 光を観測したりします。

 宇宙空間において、エネルギーが高い現象の多くは、銀河の中心核に由来し ています。中には、活動銀河核と呼ばれる非常に明るい中心部分を持った銀 河もあります。その明るさは、銀河全体の星よりも勝っているのです。私た ちから最も遠い天体として知られるクエーサーは、形成途中の銀河中心核か ら発せられる光であると考えられています。

 理論的研究とともに、新世代の望遠鏡や観測装置による、電波からX線にま でわたる観測結果から、数年の間に銀河中心核に関する知識は飛躍的に増え てきました。東京大学国立天文台宇宙科学研究所、 さらに北里大学の天 文学者からなる研究チームは、すばる望遠鏡に取り付けた 冷却中間赤外線分光撮像装置 (COMICS; COoled Mid-Infrared Camera and Spectrograph) による、私たちの銀河系中心に関する観測成果をこの国際会議で発表してい ます。

 銀河中心核は星だけでなく、非常に多くのガスやチリを含むため、人間の目が 感じ取れる可視光では内部まで見通すことができません。周りの星によって暖 められたチリが発する赤外線 (中間赤外線) を観測する COMICS は、私たちの 銀河系中心の姿をこれまでになく詳細に写し出すことに成功しました。今後の COMICS の観測によって、銀河中心核に関する理解は一層深まることが期待さ れています。

COMICS Image COMICS が捉えた私たちの銀河系の中心部分の姿。画像の範囲は、縦が5光年、 横は7光年。8ミクロンから13ミクロンの中間赤外線の画像データを擬似カラー 合成した。

 


2002年11月14日
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