今月は、マウナケア山頂にある すばる望遠鏡の観測制御棟について見ていきましょう。2001年2月のトピックスにおいてもご紹介したように、マウナケア山中腹の標高約
2,800 メートルに位置する「ハレポハク中間施設」は、夜間に天体観測を行う天文学者が宿泊したり、日中に山頂で作業を行うスタッフが休憩を取るところです。ハレポハク中間施設から山頂までの
30 分間の道のりは、4輪駆動車でのみ登ることができます。
標高約 4,200 メートルのマウナケア山頂にある すばる望遠鏡の施設は、大きくわけて 2つあります。下の写真の右側にあるのが、すばる望遠鏡のドーム
(高さ約 40 メートル) です。一方の左側の建物が、今回ご紹介する観測制御棟です。
すばる望遠鏡では、ドームとは離れた観測制御棟にある観測室から望遠鏡をコントロールします。そのため、天文学者や観測を支援するハワイ観測所のオペレーターは、夜間の観測中にドーム内へ入ることはありません。人がドームの中へ入ると、体から発する熱によりドーム内部の空気が乱れ、天体の像に影響が出る可能性があるためです。
観測室には、3 つの時計があります。左はハワイ標準時、真ん中は世界時 (UT)、右は東京の時刻 (日本標準時)
です。一般的に天文学では、世界時が基準の時刻系として使われています。また東京都三鷹市の西端に、
国立天文台本部の三鷹キャンパスがあることから、日本標準時も表示しています。
すばる望遠鏡のドームより観測制御棟を見下ろすと、ドームへ通じる廊下があることがわかります。昼間にドーム内で作業を行うスタッフは、この廊下を通ってドームに入るのです。
近い将来には、
ヒロにある山麓施設から望遠鏡をコントロール
(リモート観測) できるようになる予定です。リモート観測が実施されれば、天文学者は山頂にあがる必要がなくなります。さらに三鷹キャンパスからも、観測が行えるように準備を進めているところです。日本とハワイの
19 時間の時差を利用すれば、日本にいる天文学者は、より快適な観測が可能になります (例:ハワイの明け方 4
時は、日本で同日の午後 11 時)。