2007/03/24 国立天文台ハワイ観測所
「戦略枠」とは?
すばる望遠鏡「戦略枠」とは、他の追随を許さないユニークな観測装置(またはその組み合わせ)を用い、個人または個別グループの研究課題を超えて、長期にわたるまとまった観測を行うもので、これによってすばる望遠鏡の成果を世界により強く発信するとともに、当該分野でサイエンスのリーダーシップを確立することを目的とするものである。ハワイ観測所プロジェクトおよびすばる小委員会が責任を持ってこれを推進する。戦略枠にふさわしい課題としては、次のような範疇のものが挙げられる。
A.歴史的サーベイ観測
高いサーベイパワーを持つ観測装置を用いて、得られる科学的成果のみならず、取得されるデータそのものが日本、および世界の天文学者にとって利用価値が高い場合。とくに、個別の割付でなく、深さ、視野、などの面で、戦略的かつ系統的な計画が非常に有効である場合。
B.重要で明確な目的をもつ系統的観測
ユニークな観測装置を用いて、天文学における重要、かつ明確な目的に添って、個別の課題を超えて系統的かつ長期的な観測が必要な場合。
この目的に添って、以下の募集要項に応じた戦略枠課題を募集する。締め切りおよび提出先は
とする。
すべての戦略枠課題を合わせて、原則として、2006年度末現在の共同利用時間枠(全体の65%)からはその25%(全体の16.25%、年間59夜)をその年間割付の上限とし、これと、現在(06年度末)の所長裁量時間から、適切な夜数(半期あたり5〜10夜)を拠出して実施するものとする。ただし、今回の公募では、最終的に1課題を上限として採択して実行する予定である。
長期にわたる系統的な観測を円滑に推進するためには、ハワイ観測所の研究者が参画した実行体制を作る必要がある。提案の研究代表者(各提案課題 PI)は事前にハワイ観測所長に連絡を取り、この点についての説明を受けること。
次回以降の戦略枠公募については、とくに時期を定めないが、適宜、ハワイ観測所とすばる小委員会が協議してその時期および内容を定める予定である。
1.対象期間
今回募集する戦略枠課題は、S08B期 (2008/08/01~2009/1/31) までに開始が見込まれるものとする。課題の実施期間は特に定めないが、平均で3年程度、最大で5年間程度にまたがるものを想定している。
2.割付条件
3.組織・運用
戦略枠観測を提案する研究代表者は、ハワイ観測所を本務 [1] とする研究者を準研究代表者(CoPI)として研究組織に含むことを必須とし、CoPI は、当該戦略枠観測の提案や実施に関して、ハワイ観測所内の実務を担うことを必要事項とする。
戦略枠観測の提案が採択された場合、研究代表者は、当初の提案グループ以外のユーザにも開かれた形で研究組織作りを行い、戦略枠実行チームを作る責任を負うものとする。その際、ハワイ観測所プロジェクトはこれに協力し、上記 CoPI に加え、少なくとも1名の担当研究者を実行チームに割り当て、観測所としてデータ処理・解析作業の責任を分担する
4.審査
審査の方法・内容については、すばる小委員会においてこれを決定する。今回の公募にあたっては、以下の審査手続きを予定している。
5.提案書
今回の公募に応募するにあたっては、以下の内容を含め、A4(または Letter Size)で、10枚以内にまとめること。記述はすべて英語で行うこと。フォーマットは指定しないが、わかりやすく明快な記述を心がけること。
提出の締め切り: 2007年7月31日(日本時間)
提出方法:紙版1部、および PDF フォーマットによる電子版1部を送付のこと。
6.提案応募者の重複および専念義務
今回の戦略枠公募では、上記審査過程における第1段階の書類応募・審査にあたっては、共同研究者を含めて、重複応募は一切認めない。
また、採択された課題の研究代表者(1名)には、原則として、戦略枠観測実施中のすばる望遠鏡の共同利用観測への代表者としての応募を認めない。
7.データ公開
データ公開の方針は、戦略枠観測の理念に照らし、採択された観測課題ごとにすばる小委員会にて決定する。なお、採択課題の実行チームは、データ整約・解析ソフトウェアの整備に責任を持ち、作成されたソフトウェアはハワイ観測所が公開する。なお、生データに関しては、原則として最も遅い場合でも取得後 1.5 年後に SMOKA によって一般公開するが、これについても希望が有れば、提案書「データ公開方針」に十分な理由とともに記述すること。
8.一般社会への成果の公表
ハワイ観測所は、戦略枠課題実行チームと協力して、研究成果を一般社会に公表する。
9.中間見直し
プロジェクト終了まで、年1回の審査委員会(またはこれに代わる すばる小委員会、プログラム小委員会など)によるレビューを実施し、データの取得状況、解析状況、観測目的の達成率などを厳重に監視する。必要であれば、計画打ち切りの場合を含む中間見直しを行って、以降のプログラム割付に反映させる。
[1] ハワイ観測所プロジェクトを本務とする研究者(国立天文台の規定による)は、ハワイと三鷹に分かれて勤務しているが、どちらに勤務していてもかまわない。RCUH 職員を含む常勤研究者とする。
[2] 公開中の観測装置、戦略枠開始時に完全な状態での運用が見込まれる装置、PI 装置を含む。詳細については観測所長から説明を受けること。