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ドイツの研究者を中心とする国際研究チームは、すばる望遠鏡を使った観測から、銀河に流れ込む「星の小川」の撮影に成功しました。この「星の小川」、実は NGC4449 という矮小銀河がそばにいた別の矮小銀河を飲み込んでいる様子で、銀河同士が合体している現場です。広い視野と高い解像度を持つすばる望遠鏡は、飲み込まれている銀河の星の一つ一つをはっきりと分離して写し出しました。
国立天文台、北京大学の研究者を中心とする研究チームは、すばる望遠鏡を用いた観測によって、銀河系周辺に存在する4つの暗い矮小銀河たちが、120 億歳以上という非常に古い年齢の星のみで構成されていることを明らかにしました。これは銀河系の形成過程を知る上でも、また巨大銀河の元となる宇宙初期の小さな銀河の形成と進化を明らかにする上でも、重要な成果です。
IPMU の大栗真宗特任助教を中心とする国際研究チームはすばる望遠鏡で観測された 28 個の銀河団画像について「強い」重力レンズ現象と「弱い」重力レンズ現象を組み合わせた解析を行うことで銀河団内のダークマター分布をこれまでにない精度で明らかにしました。特に、ダークマター分布の中心集中度について理論予言との矛盾が指摘されており長らく論争が続いていましたが、その論争に決着をつける重要な成果です。
すばる望遠鏡に搭載された惑星探査用カメラ HiCIAO が、HR 4796 A という若い恒星のまわりにある塵のリングの撮影に成功しました。観測された塵のリングは、微惑星と呼ばれる惑星形成の「名残」が衝突し、小さな塵が絶え間なくばらまかれることで形成されたと考えられています。さらに、中心星からリング内側までの距離が左右でずれていることが、今回の画像から精密に測定されました。この恒星のまわりに未発見の惑星が存在し、塵のリングに重力的影響を与えた結果としてずれが生じた可能性があります。
観測成果