2000年5月24日と25日、すばる望遠鏡のナスミス焦点に設置した OHS
(CISCO) により、 地球から100億光億年離れた電波銀河 4C+40.36 の観測に成功しました。強い電波を発する
4C+40.36 は、水素やヘリウム、酸素、ネオンのガスによる輝線を出しています。 それらの輝線の波長が本来の波長より長くなっている
(赤方偏移 z=2.27) ことから、4C+40.36 は非常に遠方にあることがわかります。波長ののびた水素輝線
(Hα線) の光が赤色に見えるように撮像したものが下図です。4C+40.36 自体が赤い色であるこ とから、この天体は強い水素輝線を出していることがわかり
ます。さらに今回の観測では、4C+40.36 の右に水素輝線で光る伴銀河の姿を初めて写 し出しました。
電波銀河 4C+40.36 と新しく発見された伴銀河
下図の (a)、(b)、(c) は、4C+40.36 のスペクトルを表しています。最上段の (a) は、CISCO
により得られたものです。明るい OH夜光のため、 4C+40.36 からくる輝線は埋もれて見えなくなっています。
中段の (b) は、CISCO とさらに OHS を用いて得られた 4C+40.36 のスペクトルです。OHS
により OH夜光は除去され、4C+40.36 の輝線がわずかに見えています。(b) のスペクトルに対して、残っている
OH夜光を取り除く画像処理をコンピュータで行うと、下段の (c) のように 4C+40.36 からくる輝線がはっきりと見えるようになります。このように
OHS (CISCO) による観測では、OH夜光に埋もれた微かな天体の光をとらえることができるのです。
電波銀河4C+40.36
のスペクトル
2000年7月6日 |