観測成果

赤外線で見た深宇宙 すばるディープ・フィールド

1999年9月16日


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【観測条件】
天 体 名: すばるディープ・フィールド
使用望遠鏡: すばる望遠鏡(有効口径8.2m)、カセグレン焦点
使用観測装置: CISCO (近赤外線カメラ)
フィルター: Jバンド (1.25ミクロン )、K'バンド (2.13ミクロン)
カラー合成: 青 (Jバンド)、緑 (J+K'バンド)、赤 (K'バンド)
観 測 日 時: 世界時1999年4月~6月(4/3,4,29,30; 5/1,2,6,7,8,11,27; 6/6,7,9)
露 出 時 間: 12.1時間(Jバンド)、9.7時間(K'バンド)
視   野: 約2分角
画像の向き: 北が上、東が左
位   置: 赤経(J2000.0)=13時24分21.3秒、赤緯(J2000.0)=+27度29分23秒 (かみのけ座)
【説 明】
銀河系の円盤に対して垂直な方向は、銀河系内の星や星間塵などが少なく、それ らの影響を受けにくいため、はるか遠方の宇宙の観測に適している。特にすばる望遠鏡のあるハワイからの観測の場合、銀河系の北極方向の天体はほぼ天頂を通 過する。そのため大気揺らぎによる影響が少ないだけでなく、長時間にわたる観測が可能である。すばる望遠鏡では、このように遠方の宇宙に関する研究を行う 特定の領域「すばるディープ・フィールド」を設け、多方面にわたる観測を進める計画である。

 この画像は「すばるディープ・フィールド」の最初のデータである。銀河系の北 極の方向、かみのけ座銀河団より約6度東の、一見星も何も見えない領域を、すばる望遠鏡に取り付けた近赤外線カメラ CISCO により2つの赤外線の波長帯で 長時間観測し、それらの画像を合成した。その結果、赤外線の広域画像としては、最も暗い天体まで写すことに成功した。

 画像中の青く暗い天体は近傍(約30億光年)にある若い小さい銀河であり、赤色 の暗い天体は主に70億光年程度までに分布するかなり年老いた銀河であると考えられる。一方、白色の暗い天体は、100億光年を超える非常に遠い天体である と思われるが、それを確認するためには可視光による観測がさらに必要である。また最も赤い色の天体のいくつかは、塵に覆われたかなり特殊な天体である可能 性がある。

 このような赤外線画像は、天体から出た可視光が宇宙膨張により赤方偏移し、赤 外線としてとらえられたものである。そのため、100億光年を超えるような遠方宇宙の研究には不可欠な情報である。実際にこの画像に写る暗い天体の多くは、 100億光年を超える遠方に位置するものと考えられる。今後、すばる望遠鏡の可視光の観測装置や赤外の分光装置を用いて個々にとらえられた天体の性質を調べ ていくことにより、そのような宇宙初期の時代からの天体の形成や銀河の進化の様子を詳しく知ることができるものと期待されている。

参考星図(PDF 143 KB)

 

 

 

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